Research Results 研究成果
国立极地研究所(所长:中村(なかむら)卓司(たくじ))の石(いし)轮(わ)健树(たけしげ)特任研究员(研究当时所属:东京大学大学院理学系研究科)、东京大学大気海洋研究所(所长:河村(かわむら)知彦(ともひこ))の横山(よこやま)祐(ゆう)典(すけ)教授らの研究グループは、「白凤(はくほう)丸(まる)(図1、左上)」の2011年の航海において北西オーストラリアで採取された海洋堆积物コア试料(図1、右)を用いて、最终氷期最盛期(约2万年前)を含む2万9千年前から1万4千年前における海面および氷床の変动を解明しました。その结果、この期间の大陆氷床の拡大は、これまで考えられていたような単调な1段阶の拡大ではなく、短期间の急激な拡大が2度にわたり起こることで生じていたことが明らかとなりました。
研究グループは、海洋堆积物コア试料を用いて约100点もの详细な年代决定を行うとともに、堆积物の分析を组み合わせて当时の水深を推定し、北西オーストラリアにおける海面変动史を復元しました。さらにその结果を用いて、全球的な海面低下が、段阶的な氷床拡大により引き起こされたことを示しました。これは、最终氷期においても大陆氷床が短期间で急激に変动した可能性を示唆します。本研究结果は海面変化の予测をはじめとする将来の気候変动予测のモデル精度向上に対して、大きな贡献が期待されます。
この成果は、Scientific Reports誌に2019年5月10日付で掲載されました。
図1:(左上)本研究の試料を採取した白鳳丸。撮影:東京大学 横山祐典教授。(左下)東京大学大気海洋研究所のシングルステージ加速器質量分析装置。撮影:東京大学 宮入陽介特任研究員。(右)本研究で利用した海洋堆積物コア試料の一例。
図2: 本研究対象地域である北西オーストラリア?ボナパルト湾の位置。旧氷床域である北米やグリーンランド、南極から離れている。
図3: ボナパルト湾から復元された海洋酸素同位体ステージ2における海面変動史。