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Research Results 研究成果

肝臓の過剰な鉄が肝臓がんを引き起こす仕組みを解明  —肝臓がんの新たな予防法?治療法開発に期待-

2019.03.18
研究成果Life & Health

 九州大学生体防御医学研究所の中山敬一主干教授、西山正章助教(现 金沢大学?教授)、武藤义治研究员、诸石寿朗研究员(现 熊本大学?准教授)らの研究グループは、肝臓がん患者のがん组织で、FBXL5というたんぱく质が减少していると生存率が低下してしまうことに着目し、同様の状态をマウスで再现したところ、肝臓に鉄がたまって肝臓がんの発がんが促进されることを见出しました。研究グループはこのマウスを用いて肝臓の过剰な鉄が発がんを促进するメカニズムを解明し、将来の治疗応用に向けた基盘を确立しました。
 本邦における肝臓がんの主な原因である慢性ウイルス性肝炎などの慢性の肝臓病において、肝臓に鉄がたまることが肝臓がんの発症を増加させたり、生存率を低下させたりする现象が知られています。しかし鉄が肝臓にたまる具体的なメカニズムや、そこから発がんに至る机序は谜でした。本研究グループは、以前にFBXL5が体内の鉄量を制御することを世界にさきがけて発见し、その研究をリードしてきました。このたび、肝臓がんの患者で、肝臓のFBXL5の量が减少していると生存率が低下することと、FBXL5が欠失したマウス肝臓ではIRP2というたんぱく质が蓄积し、その结果、鉄がたまって强力な酸化ストレスを生じ、発がんが促进することを発见しました。
 これらの結果は、肝臓のIRP2を抑制することにより過剰な鉄を減らすことで肝臓がんが予防、治療できる可能性を示すものです。本研究成果は、2019年3月15 日(金)に米国科学雑誌「Journal of Experimental Medicine」で公開されました。

FBXL5の低下により鉄が过剰となり肝臓がんを促进する

研究者からひとこと

マウスの肝臓でFBXL5が机能しないと鉄がたまって発がんを促进することが分かりました。また肝臓がんの患者ではFBXL5が减少していることが悪化につながることが判明しました。これらの知见から、鉄に着目した肝臓がんの新たな予防?治疗法开発が期待されます。

论文情报

,Journal of Experimental Medicine,
10.1084/jem.20180900

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