Research Results 研究成果
九州大学大学院医学研究院衛生?公衆衛生学分野の二宮利治教授が主任を務める久山町研究の一環として、同大学歯学研究院口腔予防医学分野の竹内研時助教(現同大学共同研究員、名古屋大学大学院医学系研究科准教授)と山下喜久教授らの研究グループは、同大学医学研究院呼吸器内科学分野の松元幸一郎准教授らとの共同研究により、歯周病とCOPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:慢性閉塞性肺疾患)発症との関係を明らかにしました。
颁翱笔顿は、慢性気管支炎や肺気肿と呼ばれてきた病気の総称で、奥贬翱の报告では2016年に世界の死因の第3位となり、重要な社会问题となっています。颁翱笔顿発症の要因は喫烟を主とする有害物质の长期吸入であることは知られていましたが、非喫烟者の発症要因はこれまで谜でした。
今回、研究グループは近年全身の健康を胁かす病気として知られる歯周病に着目し、福冈県久山町の60歳以上成人900名の追跡调査データを分析し、颁翱笔顿発症との関连を検讨しました。その结果、喫烟などの影响を加味した上でも、歯茎が健康な人や歯周病が軽度の人に比べ、歯周病が重度な人は颁翱笔顿を5年以内に発症する割合が3.5倍も高く、颁翱笔顿患者の约4人に1人は中等度以上の歯周病が原因である可能性が示されました。このことは、歯周病の予防のために普段から自宅や歯科医院で口内环境を健康に保つことはもちろん、歯周病になっても适切な歯周病治疗を受けて重症化を未然に防ぐことで、颁翱笔顿発症のリスクが下がる可能性を示しています。
本研究は、日本学術振興会科学研究費JP16H05557、JP16H05850、JP17K17375、および国立研究開発法人日本医療研究開発機構の支援を受け、その成果は2019年3月8日(金)付け国際科学誌「Journal of Dental Research」に掲載されました。
(参考図)
a) 歯周病の重症度別でみたCOPD発症リスク
b) 歯周病はCOPD患者の約4人に1人の原因である可能性
歯周病は、歯磨きなどのセルフケアや歯石除去などの歯科医院でのプロフェッショナルケアを组み合わせることで予防?管理することができます。颁翱笔顿にならないために、禁烟だけでなく、口の健康もしっかりと守っていくことが今后重要になると考えられます。