Research Results 研究成果
オオルリシジミは、日本では现在、本州と九州の一部地域でのみ见られる希少な蝶です。大分県では1970年代からオオルリシジミの採集记録が无く、絶灭したと考えられていましたが、本种は近年、竹田市で再発见され、2015年には由布市でも记録されました。
九州大学大学院比较社会文化研究院の阿部芳久教授、伊藤勇人氏らの研究グループは、大分県产の本种がどこから来たものか解明するため、竹田市、由布市、熊本県、本州(长野県と新潟県)、韩国の各个体群のミトコンドリアの顿狈础塩基配列の一部を比较しました。その结果、両市の个体群とも本州、韩国由来ではないことが明らかになりました。竹田市で再発见された个体群は熊本県产の个体群の一部と顿狈础塩基配列は同じでしたが、飞来してきたものか、人為的に放蝶されたものかは断定できません。一方、由布市の个体群は土着の可能性もありますが、熊本県の个体群の放蝶に由来する可能性も否定できません。
本研究成果は2016年7月12日(火)に日本の国際学術雑誌「Entomological Science」のオンライン版に掲載されました。
食草のクララの上で交尾中のオオルリシジミ(2014年5月10日に大分県由布市内で阿部芳久撮影)
オオルリシジミの雌成虫(2015年5月8日に大分県由布市内で阿部芳久撮影)
わが国で絶滅の危機にあるオオルリシジミが近年、大分県内で再発見され、新たな産地も見つかりました。新たに発見された産地の蝶が九州由来のものだとわかりましたので、熊本県や東海大学の取组を参考にしながら保全対策を進めていきたいと思います。