Research Results 研究成果
九州大学大学院理学研究院の佐竹暁子准教授と立木佑弥博士研究员、北海道立総合研究机构林业试験场の阿部友幸主査のグループ、そして森林総合研究所の韩庆民博士は、植物の繁殖量の豊凶が生じる仕组みの一端を明らかにしました。多くの树木では、花や种子の量が大きく年変动しそれが个体间で同调することで、森林全体で実りの豊かな豊作年とほとんど种子のない凶作年が生じます。こうした木の実の豊凶が、食物网を通じてツキノワグマやヒグマ、アカネズミといった哺乳类や,种子食性昆虫の集団にも大きな影响を与えることが知られていますが、どのような仕组みで豊凶が生まれるのかについてはまだ未解明の点が多く残っています。
研究グループは、北海道南部のブナ林の开花挙动を10年以上追跡调査し、花や种子へ配分される炭素と窒素资源量を分析することで、ブナの豊凶は窒素资源の年変动によって生じることを明らかにしました。窒素资源の土壌からの吸収および繁殖への投资と高温による花芽形成の抑制を考虑した数理モデルによって、ブナ170个体で観测された复雑な开花挙动を説明することが示されました。本アプローチは多様な植物へ応用可能であり、豊凶の将来予测に役立てることができます。
本研究成果は、2016年7月24日(日)午前11時5分(米国東部時間)に国際科学誌「Ecology Letters」のオンライン版(URL)で公開されました。
北海道恵山に生息するブナ各个体の开花挙动の例。多くの个体が开花する豊作年(2000年)の后に凶作年が访れました。このような开花挙动は、种子への窒素投资量が多く繁殖后に枯渇が生じることによって生じます。灰色:ブナ以外の种あるいは観测に含まれなかった个体。
ブナ林での调査模様。
フィールドでの地道な调査を続ける森林生态学者と、栄养资源の化学分析を行う植物生理学者、そして复雑な现象の背后にあるロジックを探る数理生物学者の出会いが実を结び、今年は我々の成果が豊作となりました。环境変动に対する森林の応答予测に本研究成果を生かしたいと思います。