Research Results 研究成果
日本の糖尿病患者は现在1000万人、そのうちの30%が合併症である糖尿病肾症を患います。2016年の最新の报告では、人工透析を始めた方の43.2%が糖尿病で、この年、糖尿病患者1万7000人が人工透析となりました。
新しい糖尿病治疗薬の厂骋尝罢2阻害薬は、最近の大规模临床试験の结果、糖尿病患者における肾症の进行を抑えることがわかりました。肾臓の糸球体は、体の中の老廃物を滤过する重要な働きをしております。ヒトでは一つの肾臓に100万个ありますが、糸球体の大きさは100ミクロン程と小さいため、现在の画像検査では観察は不可能です。生体検査によって组织を採取し、初めて観察が可能となりますが、糸球体10个程度が限界です。糸球体の数と大きさが、糖尿病では、どうなっているのか?それを知ることは、糖尿病の治疗と肾症の进行度を予测する上で、大変重要なことです。
このたび、旭川医科大学内科学講座(病態代謝内科学分野)の滝山由美准教授、九州大学工学研究院 世良俊博准教授らの共同研究の論文がCell 誌 とLancet 誌の共同オープンアクセス誌 EBioMedicine に掲載されました。
SPring-8 BL20B2にて撮影したマイクロCT像と糸球体の3次元解析像
糖尿病は、血糖が高くなることにより、全身の血管を障害する血管病です。厂笔谤颈苍驳-8の放射光を用いたマイクロ颁罢により、マウス全身の血管撮影と解析を可能としました。现在、糖尿病と合併の多い脂肪肝、糖尿病患者の死亡原因第1位である癌について、その血管构造の変化、异常血管新生の研究を进めております。今后は、糖尿病とその合併症の病态をミクロ単位で明らかにすることにより、ヒトでの糖尿病の病态の理解を进め、新しい治疗法と诊断法の开発を目指します。