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細胞の集団が細胞間の張力を介してコミュニケーションし、運動する仕組みを解明 ~創傷の治癒を早める方法の開発の基礎となる発見~

2018.06.20
研究成果Physics & Chemistry

 私たちの体は、上皮细胞という细胞同士が密に接着し、体の表面を覆うことによって、体の外にある细菌やウイルスなど异物が体内に侵入することを防ぎ、また体の中にある水やイオンが体外に出て行ってしまうことを防いでいます。この上皮细胞のシートに伤口ができると、伤に近接した细胞が运动を开始して伤の部分を速やかに修復します。この际、细胞がそれぞれ胜手なスピードや方向に运动すると、细胞シート全体としての运动の効率が低下し伤口の修復が遅くなってしまうことから、细胞集団が全体として协调性を获得することで、効率よく运动するための仕组みが存在すると考えられています。
 今回、九州大学大学院理学研究院の池ノ内顺一教授、松沢健司助教、樋本拓也元システム生命科学府大学院生らの研究グループは、细胞接着装置を构成するαカテニンというタンパク质が细胞间に働く张力によって构造を変化させる性质に着目して研究を行い、细胞シートを构成する细胞同士が细胞间に働く张力を介して运动方向やスピードを协调させていることを発见しました。         
 この発见は、细胞接着装置が、単纯に细胞同士を机械的につなぎ合わせるという役割以上に、细胞间に働く张力を感知し、细胞の运动を制御するという积极的な役割を持つことを示しています。
 上皮细胞シートの协调的な运动メカニズムの解明は、创伤治癒応答の迁延化によっておこる褥疮(じょくそう)などの疾患に対する新たな予防法や治疗法を开発する上で基础となる知见です。
 本研究は、文部科学省 日本学術振興会 科学研究費(16H04786、18K14700、17H06012)の支援を受けて行われました。
 本研究成果は、米国科学雑誌「Cell Reports」のオンライン版に2018年6月19日(火)午前11時(米国東部夏時間)に掲載されました。

(参考図1)
上皮细胞のシートを构成する细胞は接着を维持しながら自由端の方へ向かって运动し、伤口を速やかに修復します。自由端に向かって进む细胞を赤色、反対侧に向かって进む细胞を青色で表示しています。细胞同士の间に働く细胞间の张力の感知が异常になった细胞集団では、反対方向に运动する细胞が现れて、创伤の治癒が遅延することがわかります。

研究者からひとこと

「船头多くして船山に上る」という谚がありますが、细胞の集団もお互いに协调することで効率の良い运动が可能になります。细胞同士は接着装置にかかる张力を介してお互い协调していることがわかりました。今后も、ある集団を构成する细胞がどのように自分自身のおかれた环境を认识して、振る舞いを変化させるかについて研究を进めたいと考えています。

论文情报

,Cell Reports,
10.1016/j.celrep.2018.05.070

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