Research Results 研究成果
九州大学大学院薬学研究院の山田健一教授らの研究グループは、体内の脂肪が酸化される际に生じる「脂质ラジカル」と呼ばれる中间体の検出技术(蛍光プローブ)を开発し、脂质ラジカルが実际に肝细胞がん発症に极めて重要な役割を担っていることを明らかにしました。
私たちの体内にある脂肪が「錆びる」、つまり酸化されることで、様々な病気を発症することが明らかになりつつあります。これら脂肪の酸化过程には「脂质ラジカル」と呼ばれる极めて高い反応性を示す中间体が生成され、连锁的かつ爆発的にその伤害を拡散?増幅させます。しかしこれら中间体は、その高い反応性のために検出や解析が困难とされてきました。研究グループは今回、脂质ラジカルと选択的に反応することで発光する蛍光プローブの开発に成功しました。さらに、脂质ラジカルが肝细胞がんモデル动物のがん発症初期段阶に発生しており、その后のがん形成过程においても极めて重要な役割を果たしていることを初めて明らかにしました。この知见により、「脂肪の錆び」を标的とした、病気の予防?治疗法开発の基盘研究となることが期待されます。
本研究成果は、2016年6月13日(月)16:00(英国夏時間)に国際科学雑誌「Nature Chemical Biology」にオンライン掲載されました(DOI:10.1038/nchembio.2105)。
本プローブは通常ほとんど无蛍光ですが脂质ラジカルと反応すると緑色の光を発します。肝がんモデル动物で、脂质ラジカル生成を抑制するとがん発症が有意に减少しました。
今回検出することに成功した「脂质ラジカル」は、生活习惯病など多くの疾患に関与していると推测されます。私たちが开発した技术を様々な疾患に応用することで、疾患のメカニズム解明や新たな予防?治疗法の开発ができると考え、さらに研究を进めています。