Research Results 研究成果
九州大学大学院医学研究院の中岛钦一教授と、鹿児岛大学大学院医学系学府博士课程4年の上薗直弘らの研究グループは、冈山大学大学院医歯薬学総合研究科の西堀正洋教授らとの共同研究により、マウスにおいて脊髄损伤の急性期に抗贬惭骋叠1抗体を投与すると、血液—脊髄関门の透过性亢进を抑制し、それに引き続く脊髄浮肿を軽减させることを発见しました。それにより损伤领域の拡大が抑えられ、また损伤领域周辺の介在ニューロン(神経细胞)死も軽减することから、その后の神経回路再构筑に有利に働き、后肢运动机能を回復させることに成功しました。
さらに、急性期の抗体治疗に引き続き、ヒト颈笔厂细胞由来神経干细胞を损伤脊髄に移植したところ、それぞれの単独治疗で得られる治疗効果と比べ、剧的に高い治疗効果を得られることが明らかになりました。移植细胞から分化したニューロンが、再构筑された神経回路の一部を担い运动机能回復に直接寄与することはこれまで报告されていましたが、抗体治疗により损伤周辺部の环境を整备することで、移植细胞由来ニューロンが机能回復につながるシナプスを形成する机会を増やしたことがこのような高い治疗効果につながったと考えられます(図1)。この成果により、脊髄损伤の新たな治疗戦略につながることが期待されます。
本研究成果は、2018年3月8日(木)午前11時(米国東部時間)に、国際学術雑誌『Stem Cells』のオンライン版に掲載されました。
図1:抗贬惭骋叠1抗体治疗と神経干细胞移植治疗の组み合わせによる治疗増强効果の概念図
上薗君は最后列、左から二番目、中岛教授は最后列、右端
偶然学会でお闻きした西堀先生の抗体研究と、私たちが行ってきた干细胞移植を组み合わせることで、それぞれ単独よりも剧的な効果が见られました。それを実现させた上薗君の顽张りにも敬意を表したいと思います。