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Research Results 研究成果

尿中マイクロ搁狈础から「癌」を特定!

2017.12.18
研究成果Life & Health

 名古屋大学大学院工学研究科の馬場 嘉信教授、安井 隆雄助教らの研究グループは、九州大学先導物質化学研究所の柳田 剛教授、国立がん研究センター研究所分子細胞治療研究分野の落谷 孝広分野長、大阪大学産業科学研究所の川合 知二特任教授との共同研究で、尿1mLから、がん(肺、膵臓、肝臓、膀胱、前立腺)を特定する技術を新たに発見しました。
 尿中に含まれる细胞外小胞体注1(大きさ40~5000ナノメータ)は、生体机能を制御するマイクロ搁狈础注2を内包していることが知られています。このマイクロ搁狈础は、がん患者/非がん患者で発现しているものが异なっていると考えられてきましたが、効率的に尿中细胞外小胞体を捕捉する技术がないために、尿中マイクロ搁狈础によるがん诊断は困难であるという问题が生じていました。
 本研究では、ナノスケールの棒(ナノワイヤ)注3を用いて、尿中の细胞外小胞体を捕捉する新しい技术を构筑し、そのナノワイヤが尿中细胞外小胞体を99%以上捕捉する新しい素材であることを発见しました(図1)。また、このナノワイヤで捕捉した尿中细胞外小胞体の内部のマイクロ搁狈础を解析すると、1000种类以上のマイクロ搁狈础が尿中に存在していることも世界で初めて発见しました(人间のマイクロ搁狈础は2000种类以上见つかっているのに対し、従来の技术では200~300种类しか见つかっていなかった)(図2)。さらに、がん患者/非がん患者の尿を用いた解析を行うことで、がん患者/非がん患者で特异的に発现しているマイクロ搁狈础が存在することを明らかにしました(図3)。
 この研究成果は、平成29年12月15日付午後2時(米国東部時間)米国科学雑誌「Science Advances」オンライン版に掲載されました。
 本研究は、科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業 個人型研究(さきがけ)「超空間制御と革新的機能創成」研究領域(研究総括:黒田 一幸)における研究課題「がん転移メカニズム解明にむけた人工超空間の創製」(研究者:安井 隆雄)、日本医療研究開発機構(AMED)次世代治療?診断実現のための創薬基盤技術開発事業「体液中マイクロRNA測定技術基盤開発」(代表者:落谷 孝広、実施代表者:馬場 嘉信)、日本学術振興会(JSPS)科学研究費補助金基盤研究A「がん超早期診断?予防のためのがん特異的エクソソーム超高精度解析デバイス」(代表者:馬場 嘉信)の一環として行われました。

図1:ナノワイヤを用いた尿中细胞外小胞体の捕捉とそこに内包されるマイクロ搁狈础

図2:(左)ナノワイヤと従来技术の比较 (右)ナノヤイヤにより1000种类以上のマイクロ搁狈础を発见

図3:がん患者/非がん患者の発现量に差が确认されたマイクロ搁狈础

论文情报

,Science Advances,
10.1126/sciadv.1701133

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