Research Results 研究成果
九州大学大学院薬学研究院の大嶋孝志教授らの研究グループは、医薬品や香料、ポリマーなどに含まれる重要な化合物である「エステル」を合成する実用的な不均一亜铅触媒の开発に成功しました。
これまでのエステル合成法では、廃弃物を多く生じてしまい、合成できるエステルの种类に制限があるなど実用化へ课题が残されていました。本研究グループは、これまでに様々なエステルを合成することができる亜铅触媒を开発してきました。しかし、化学反応を起こしにくい不活性ガス中での取り扱いが必要である点や、触媒が使い捨てである点など実用化へ课题を残していました。今回、これらの课题を解决した取り扱いが容易で、かつ様々な反応に使用する事ができる不均一亜铅触媒の新たな开発に成功しました。本触媒は、ろ过する事で回収してリサイクルすることができるため、环境に优しいエステル合成触媒です。また独自の化学选択的な反応への応用も可能で、これまでは合成困难であった新规エステルの合成も可能となります。本研究成果により、环境にやさしい実用的な合成プロセス开発の第一歩となることが期待されます。
本触媒は、九州大学薬学研究院が推し进めているグリーンファルマ研究の核となるもので、现在、人と地球に优しい医薬品合成に取り组んでいます。
本研究成果は、2016年5月31日(火)に国科学誌「Advanced Synthesis & Catalysis (IF 5.7)」で公開されました。
今回开発した触媒は、イミダゾールを配位子とした不均一系亜铅触媒で、简便に用いることが可能です。さらに回収してリサイクルも可能であるため、安価かつ环境にやさしい手法で有用なエステルを合成することに成功しました。また现在、本触媒を用いた连続フロー合成など様々な応用研究を行っています。
今回开発した亜铅触媒は、取り扱いやすく様々な反応に使うことができます。今后はより高活性で何回も繰り返し使えるように改良して、工业スケールで使ってもらえるような触媒にしていきたいと考えています。