Research Results 研究成果
九州大学カーボンニュートラル?エネルギー国际研究所(奥笔滨-滨2颁狈贰搁)の贞清正彰助教、秦慎一学术研究员(当时)、东学テクニカルスタッフ、山内美穂教授の研究グループは、カルボン酸であるシュウ酸と水から电力を使ってアルコール様物质であるグリコール酸を连続的に合成する装置の开発に成功しました。
グリコール酸はエネルギー密度が高く安定な化合物であり、贮蔵や输送が容易な次世代の燃料として期待されています。また、ピーリング剤や生分解性ポリマーの原料として工业的にも広く使われている物质です。一方、シュウ酸は大気中の颁翱2を吸収して成长する植物から得ることができます。従来のグリコール酸の合成プロセスは、高温高圧条件を必要とするか、环境汚染物质となる有机物や塩の排出を伴います。本研究では、电力のみを使ってシュウ酸からグリコール酸を连続的に製造する装置の开発に成功しました。この技术により、効率的なグリコール酸の製造が可能になるだけでなく、再生可能エネルギーによって作られる电気エネルギーを贮蔵性及び输送性に优れたグリコール酸に直接的に贮められるようになると期待されます。同研究グループは、これまでに、二酸化チタン触媒がシュウ酸からの电気化学的なグリコール酸合成に有効であることを発见しました。本研究では、新たに基质透过性を持つ膜-电极接合体とそれを使った、固体高分子型グリコール酸电解合成装置を作製し、この装置を用いることで、不纯物を添加せずにシュウ酸からグリコール酸を连続的に製造することに世界で初めて成功しました。
本研究の主たる成果は、科学技術振興機構 CREST 研究領域「再生可能エネルギーからのエネルギーキャリアの製造とその利用のための革新的基盤技術の創出」(課題番号:JPMJCR1542、研究課題:ナノハイブリッド材料創製に基づくクリーンアルコール合成システムのデザインと構築、研究代表者:山内美穂)の支援により得られたものです。本研究成果は、2017年12月12日(火)に国際科学誌Natureの姉妹紙であるオンラインジャーナル『Scientific Reports』で公開されました。
参考図)本研究で开発された固体高分子型アルコール电解合成装置の概略図。阴极上でのカルボン酸の还元によりアルコールが生成する。
左から贞清助教、东テクニカルスタッフ、秦学术研究员(当时)、山内教授
电気エネルギーを化学エネルギーとして物质に贮蔵する研究は、今后、太阳光や风力などの再生可能エネルギーの利用拡大とともに重要となる技术です。カルボン酸は生物由来の物质に多く含まれており、自然界に多量に存在しています。今后は様々な电极触媒や合成装置を开発することにより、より高効率に様々な物质にエネルギー贮蔵が可能となるようにさらに発展させていきます。