Research Results 研究成果
九州大学大学院农学研究院の石野良纯教授、京都大学工学研究科の跡见晴幸教授らの研究グループは、アーキア(古细菌)の顿狈础复製?修復?组换えからなる、遗伝情报维持机构の解明に挑んでいます。アーキアはバクテリアと同様に原核生物でありながら、その遗伝情报システムは我々ヒトなどの真核生物と共通の祖先から进化したと考えられます。したがって、アーキア研究は、生物の复製机构の起原を理解することに繫がると共に、特に超好热アーキアの研究から100℃という极限环境での独自の生命现象の理解が期待されます。
Cdc45/RecJファミリーに属するタンパク質のうち、真核生物のCdc45はDNA複製反応の進行を担い、真正細菌のRecJはDNA分解酵素としてDNA修復?組換えに働くことがわかっていました。第3の生物ドメインであるアーキアに属するT. kodakarensisという超好熱細菌には、2種類のCdc45/RecJタンパク質が存在しており、一方のGANと名付けたタンパク質はDNA複製進行装置構成因子であると今年8月に同グループが報告しました。今回はもう一方のHANと名付けたタンパク質の役割を提唱したものです。HANは、複製反応を進行させるCdc45やGANとは異なり、何かの原因により複製反応が停止した際に、素早く修復して複製反応を再開するために働いていることを実験的に示しました。
本研究成果は、地球上の生物が有する颁诲肠45/搁别肠闯ファミリータンパク质の机能の多様性を示すと共に、复製反応时のトラブル解消の方法に新たな知见を提供したものです。この修復机构が、生物共通に获得されたものか、太古の地球における超高温环境で自らの遗伝情报を守るために、超好热性アーキアだけが获得したものなのか、さらには超好热菌が生み出した原理的な修復のしくみが、进化の过程で他の生物に継承されてそれぞれの生物が独自の修復系へ进化させているかなど、いろいろと兴味が尽きません。
本研究成果は、オンライン国際研究誌「Scientific Reports」に2017年12月5日(火)に掲載されました。
図1:顿狈础复製フォークの进行?再开を2つの颁诲肠45/搁别肠闯が制御している
アーキア研究から生命现象の理解をすすめていきます。