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内部の混み合い?掻きまぜの影響が生きた細胞と抽出液のちがいを生む ~“モノ”と“生き物”の違いは元気な動きにある~

2017.11.16
研究成果Physics & Chemistry

 九州大学大学院理学研究院の水野大介准教授と大学院理学府博士课程の西泽贤治(日本学术振兴会特别研究员)は、生きた细胞と细胞から取り出された中身(细胞抽出液)の粘弾性を测定し、生きた细胞と细胞抽出液の违いを生み出す原因が、细胞内部の混み合った状态を掻きまぜる力にあることを明らかにしました。
 细胞は、必要に応じてその力学的性质を変化させて、多彩な机能を果たします。ガラスやゲル等の単なる“モノ”の性质を変えるには、その物质や构造を作り换えることが必要ですが、细胞のような“生き物”のダイナミックな柔软性?顺応性を説明するためには、もっと容易にその性质を変えられる仕组みが必要です。ダイナミックに変化する细胞の中身はとても混み合っていて、さらに、モータータンパク质が生み出す力によって掻き乱されています。したがって、混み合いや掻きまぜによって、细胞の力学的な性质が大きく変化するのであれば、そこに“モノ”とは异なる“生き物らしさ”が生まれる可能性があります。そこで、水野大介准教授のグループでは、混み合いと掻きまぜの影响を调整した试料の力学的性质を比较検讨して、生き物らしい性质が生まれる仕组みを明らかにしました(図1)。
 まず、细胞の膜を壊して中身だけを取り出した细胞抽出液を用意し、掻きまぜの影响を除去した状态で、この细胞抽出液に含まれる中身の浓度を変化させながら力学的性质を测定しました。すると、わずかな浓度の増加で粘性率が急激に上昇(発散)し、固化することが分かりました。惊くことに、抽出された细胞の种类に依らずにヒトもバクテリアも、卵细胞も组织细胞も同じように変化して、生きた细胞内の浓度(?300尘驳/尘濒)よりも低い浓度で固化することも分かりました。
生きた细胞も抽出液のように固まってしまうと、细胞内部で必要な物质を合成して、必要なところに送ることが出来なくなります。そこで、中身の浓度を変化させながら生きた细胞の力学的な性质を计测して、生きた细胞も本当に固まってしまっているのか调べました。抽出液と内容物は全く同じであるにもかかわらず、抽出液とは异なり、生きた细胞内部は流动性を保っていました。また、中身の浓度と粘性率の间の関係性も细胞抽出液とは全く违いました。これを详しく解析した结果、生きた细胞と抽出液の违いを生み出す原因が、细胞内部の掻きまぜにあることが分かりました。
 これまで细胞が働く仕组みを调べる际に、混み合いや掻きまぜの影响は殆ど考虑されて来ませんでした。细胞や组织の力学的性质は、癌の悪性化や胚発生?干细胞分化等の様々な病理?生理现象に影响を与えます。これらの细胞における混み合いや掻きまぜ効果をさらに研究することで、将来的にはがん治疗や生殖?再生医疗等の幅広い分野に贡献する知见が得られると期待されます。
 本研究は、日本学術振興会 科研費JP15H03710、JP2368403、JP25127712、JP25103011、JP23840031の支援を受けました。本研究成果は、2017 年 11月 9日(木)にオンライン科学誌「Scientific Reports」に掲載されました。

(図1)

研究者からひとこと

研究者(西泽)からひとこと:生き物が単なるモノとは何が违うのか?という大きな疑问を追究した结果、私达の细胞は“元気”でないと固まってしまうことが分かりました。私たちにとって身近な细胞内部のことでさえ、まだまだ未解明なことが多くあります。一つの考えに凝り固まらずに、好奇心?疑问を抱きながら今后も“元気に”研究に励みたいと思います。

论文情报

,Scientific Reports,
10.1038/s41598-017-14883-y

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