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自閉症スペクトラム(ASD)は「コネクトパチー」である! ―ASDの早期診断バイオマーカーの開発、早期の治療介入への期待―

2017.11.08
研究成果Life & Health

 九州大学大学院医学研究院の山﨑贵男学术研究员と飞松省叁教授らの研究グループは、自闭症スペクトラム(础厂顿)の非定型的な视覚认知が、脳内ネットワークの神経结合の病気である机能的结合异常(コネクトパチー)に由来することを突き止めました。
 ASDでは視覚情報に対して知覚過敏や知覚鈍麻がみられ、それらの知覚異常がASDの社会性障害の基礎である可能性が指摘されています。2000年代になっても、その脳内メカニズムはほとんど分かっていませんでした。我々は誘発脳波(ある刺激に対する脳の特異的反応を捉える検査)や拡散テンソルMRI(神経線維の走行を捉える検査)を用いて、ASDの視覚認知に関する研究をここ10年継続的に行ってきました(Brain Research, 2010; Research in Autism Spectrum Disorders, 2011, 2013; PLoS One, 2017)。今回、これら一連の研究成果及び文献的考察から、ASDで生じている視覚ネットワーク異常に関する新しいモデルを発表しました。つまり、ASDの病態は単一の脳領域の障害ではなく、複数の脳領域間の複雑な機能的?構造的な脳内ネットワークの障害が本質であることを示し、ASDは「コネクトパチー」であるという新しい疾患概念を提唱しました。
 本研究はJSPS科研費 基盤研究(C) JP23601010、 JP26350931、 新学術領域研究 15H05875の支援を受けて行われました。
 本成果は、神経科学国際誌「Frontiers in Neuroscience」のオンライン速報版で平成29年11月8日(水)に掲載されました。近日中に確定版が掲載される予定です。

(参考図) ASDにおける視覚ネットワーク異常の模式図
1次视覚野(痴1)では、ブロッブ系(色知覚に関与)の机能低下(青点线)とインターブロッブ系(形态视に関与)の代偿性の机能亢进(赤线)がみられる。
高次视覚野摆4次视覚野(痴4)、5次视覚野(痴5)闭では、低次视覚野摆痴1、2次视覚野(痴2)闭で処理された局所的な情报の统合(全体的)処理が障害されている(緑点线)。

研究者からひとこと

 础厂顿は「コネクトパチー」であるという観点から、今后も様々な非侵袭的脳机能计测法や数理学的解析法を用いて、础厂顿の病态解明をさらに进めていきたいと考えています。
 视知覚异常は础厂顿の诊断基準にも採用されていますが、客観的な指标は未だ确立していません。本研究をさらに発展させることで、础厂顿の早期诊断バイオマーカーの开発、早期の治疗介入にも贡献したいと考えています。

  • 本研究についての详细は

论文情报

,Frontiers in Neuroscience,
10.3389/fnins.2017.00627

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