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Research Results 研究成果

恒星間航行ロケットの原理実証に一歩前進 —レーザー核融合ロケット実現に向けたプラズマの噴出制御に成功—

2017.10.27
研究成果Physics & ChemistryTechnology

 九州大学大学院総合理工学研究院の森田太智助教と山本直嗣教授は、大阪大学レーザー科学研究所、パデュー大学、光产业创成大学院大学、広岛大学、明石高専と协力して、プラズマロケット磁気ノズルのレーザー生成プラズマ喷出方向の制御に成功しました。
 有人火星探査が现実味を帯びる中、従来までの化学ロケットでは火星までの往復に长时间を要し、宇宙船乗务员?乗客には、心理的な负担に加えて宇宙线被曝、骨密度减少など大きな负荷をかけます。そのため化学ロケットに代わる高速の宇宙船?ロケットが求められています。将来の惑星间?恒星间航行の有力候补とされるレーザー核融合ロケットでは、高速で膨张する核融合プラズマを、强力な磁场で制御し排出します。
 今回、大阪大学レーザー科学研究所の贰鲍痴データベースレーザー(出力エネルギー:6闯)を固体に照射することで高速に膨张するプラズマを生成し、复数の电磁石を组み合わせた磁気ノズルで排出プラズマの方向制御が可能であることをはじめて実験的に実証しました。さらにレーザー照射によって生成されるプラズマとその膨张过程を数値シミュレーションで计算することで、本手法の原理が実証可能であることを确认しました。
 本成果は、平成29年8月21日(月)に英国科学誌Springer Natureが出版する『Scientific Reports』誌に掲載されました。引き続き、10月16日(月)から20日(金)にかけて、さらに100倍のエネルギーをもつ大阪大学レーザー科学研究所の大型レーザー(激光XII号)を利用して、その性能を向上させるための詳細な実験を行い、本手法の実用化を確信する実験データを得ました。今後は実機で想定されるような、さらに1000倍のエネルギーを用いたプラズマロケット磁気ノズルの原理実証を目指して、研究を進めていきます。
 本研究はJSPS科研費 若手研究(B) JP15K18283、JP17K14876および大阪大学レーザー科学研究所の支援を受けて行われました。
参考論文 Scientific Reports 7, Article number: 8910 (2017)
https://www.nature.com/articles/s41598-017-09273-3

レーザー核融合ロケットの概念図(矢沢サイエンスオフィス提供)

制御されたプラズマ喷出

研究者からひとこと

将来の高出力?低燃费ロケットとして有力な候补であるレーザー核融合ロケットは、磁场で核融合プラズマを制御して排出します。今回、磁场でプラズマ排出方向を制御する手法を、実験?シミュレーションで実証しました。この手法を用いると、补助的なエンジンなしで方向制御が简易に行えるため、画期的な手法といえます。

论文情报

,Scientific Reports,
10.1038/s41598-017-09273-3

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