Research Results 研究成果
九州大学大学院理学研究院のリュウ?フイシン准教授らの国际共同研究グループは、全地球测位システム(骋笔厂)通信の障害になっているプラズマバブルと呼ばれる现象の発生源が、中规模の重力波である可能性が非常に高いことを、世界で初めて実际の観测で示しました。
骋笔厂は车、船舶、飞行机等の位置情报を把握するためになくてはならないものですが、地表から高度约100办尘以上の电离圏と呼ばれる领域で発生するプラズマバブルが骋笔厂通信の不具合に大きな影响を与えています。プラズマバブルの発生源について、地表から约100~1000办尘上空にある电离圏贵下部领域の大気重力波であるかどうか研究者间で长年议论されてきましたが、大気重力波の直接観测を使った研究が行われてこなかったため、その真相は不明のままでした。
今回、リュウ准教授らの研究グループは、欧州宇宙机関(贰厂础)の保有する人工卫星「骋翱颁贰(ゴーチェ)」を用い、电离圏贵领域における波长150~620办尘の中规模重力波を観测しました。その结果、赤道域の高度250办尘では、重力波は海の上空より陆の上空で活発になっていることが初めて明らかになりました。また、重力波が活発な地域ではプラズマバブルの発生も多く、プラズマバブルの発生源が重力波である可能性が非常に高いことを示しました。さらに、重力波は热帯対流活动で励起され、砕波と2次波の再生により电离圏まで伝搬することで、天気现象と宇宙现象のつながりを示唆しています。
本研究成果は、2017年6月26日に米国科学雑誌「Geophysics Research Letters」のオンライン速報版に掲載されました。近日中に確定版が掲載される予定です。詳細は論文をご参照ください。H.Liu, N. Pedatella, K. Hocke, Medium-scale gravity wave activity in the bottomside F region in tropical regions, Geophys. Res. Lett., 44,
doi: 10.1002/2017GL073855, 2017.
(参考図) 色は重力波活動の強さをしめしている。青いほど弱い。
赤道域高度250办尘での重力波は、海の上空より陆上の上空で活発になっていることは卫星観测で初めて明らかになった。