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Research Results 研究成果

現代中国の著名作家 冰心(謝冰心)の自筆完全原稿を発見

2017.06.20
研究成果Humanities & Social Sciences

 九州大学大学院言語文化研究院の中里見敬教授らの研究グループは、九州大学附属図书馆濱文庫に所蔵される『春水』手稿本(原稿)について、現代中国の著名作家?冰心の自筆原稿であることを、執筆から95年後に確認しました。冰心22才のときに書かれたこの原稿は、現存する冰心手稿の中で最も早い時期の完全原稿で、中国現代文学の第一級の原資料です。
 昨年公开された周作人(1885-1967、鲁迅の実弟、北京大学教授)の1939年の日记に、『春水』手稿本を滨一卫(1909-1984、はま?かずえ、九大名誉教授)に赠る旨记されていたことから、滨文库に所蔵される『春水』手稿本の由来が判明しました。また、『春水』出版时に周作人が编集を担当していたことから、この原稿が冰心による自笔原稿であることが确実になりました。
 本研究成果は科学研究费补助金の支援を受けたもので、2017年6月20日に北京の中国现代文学馆が発行する学术誌『中国现代文学研究丛刊』2017年第6期に掲载されました。

(参考図)
(左)冰心(1920年代)
(右)冰心自笔表纸,「岂明経手」(周作人)印

研究者からひとこと

周作人の日记の一文から、长年の谜が氷解しました。贵补肠别产辞辞办での研究者の书き込みから、日记の公开を知ったことがきっかけでした。
本资料は日中文化交流を象徴する贵重なものですが、一方で周作人は、戦争中に日本との関係が深かったことから、戦后は不遇でした。滨一卫は周作人に直接お礼を言えなかったことを终生悔いていたと、ご遗族から闻きました。
新中国で作家协会の干部になった冰心と、叁者叁様の戦后の生き様に思いを驰せるとき、感慨は尽きません。

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