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Research Results 研究成果

千葉県市原市の地層を地質時代の国際標準として申請 認定されれば地質時代のひとつが「チバニアン」に

2017.06.07
研究成果Physics & ChemistryEnvironment & Sustainability

 茨城大学(学長:三村信男)の岡田誠教授、国立極地研究所(所長:白石和行)の菅沼悠介准教授、千葉大学(学長:徳久剛史)の亀尾浩司准教授、国立科学博物馆(館長:林良博)の久保田好美研究員を中心とする22機関32名からなる研究グループは、千葉県市原市にある地層「千葉セクション」が地質時代の国際標準模式地(Global Boundary Stratotype Section and Point、GSSP(後述))に認定されるよう、本日、国際地質科学連合(International Union of Geological Sciences、IUGS)の専門部会に提案申請書を提出します。千葉セクションは地質時代のうち、更新世の前期と中期の境界(約77万年前)を示しており、この境界のGSSP認定に向け、千葉セクションのほかに、イタリアにある2つの地層の申請書がそれぞれ提出される見込みです。
 滨鲍骋厂での审査の结果、千叶セクションが骋厂厂笔として选定された场合は、约77万年前~12万6千年前の地质时代に対する名称として「チバニアン」(「千叶の时代」の意)を提案します。

<骋厂厂笔について>
 地球の歴史をひもとく、つまり过去の地球环境の変迁を明らかにすることは、人类の根本的欲求であるとともに、地球环境変动の将来予测においても极めて重要です。地质学では、地球上の岩石が形成された年代や生物化石等の変迁に基づいて、地球の歴史を115の时代に分けています(地质时代)。そして、地质时代区分を标準化するため、それぞれの地质时代境界について地球上で最も観察?研究をする上で优れた地层1カ所を骋厂厂笔と认定しています。たとえば、恐竜が絶灭した白亜纪と古第叁纪の境界(约6600万年前)の骋厂厂笔はチュニジア北部のエル?ケフ近郊にあります。ただし、时代区分の定义、名称や年代などは絶えず见直されており、また、まだ骋厂厂笔が决定していない地质时代もあります。
 更新世の前期と中期の境界は、これまでで最后の地球の磁场逆転が起きた时期で、まだ骋厂厂笔が决まっていない境界のひとつです。この境界の骋厂厂笔として认定されるためには、いくつかの推奨条件が提示されており、その条件のなかでとくに重要なものは以下の3つです。

1. 海底下で連続的に堆積した地層であること
2. 地層中に、これまでで最後の磁場逆転が記録されていること
3. 地層の堆積した当時の環境変動が詳しく分かること

 この境界のGSSPには、房総半島の中央部、千葉県市原市の地層「千葉セクション」のほかに、イタリア南部のモンタルバーノ?イオニコ(Montalbano Jonico)、同じくイタリア南部のヴァレ?デ?マンケ(Valle di Manche)の地層も候補に挙がっています。
 千叶セクションが骋厂厂笔に选定されれば日本初の骋厂厂笔となり、また、地质时代名称として初めて日本の地名が使われます。研究グループは、千叶セクションの骋厂厂笔申请に向け、上述の推奨条件を満たすことを示すため、数年にわたり研究を进めてきました。

図1: 千葉セクション(千葉県市原市)の位置。

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