Research Results 研究成果
九州大学大学院芸术工学研究院の村山依子日本学术振兴会特别研究员、伊藤浩史助教、お茶の水女子大学基干研究院の郡宏准教授、早稲田大学理工学术院の岩崎秀雄教授らの研究グループは、低温で体内时计が止まってしまう原理を明らかにしました。
私たちの寝起きのリズムは体内时计によって生み出されています。体内时计が生み出すリズムは低温下で停止することが、20世纪の中顷から昆虫や植物で报告されてきました。また同じ顷、数学や物理学の分野では、リズムの生まれ方や止まり方にどのような特徴があるのかについて考察を行い、いくつかの典型的なタイプに分类できることが明らかになりました。
21世纪になって、バクテリアの体内时计を试験管の中に再现する実験手法が开発され、体内时计を高精度で调べることが可能になりました。研究グループはこの先进的な実験手法を用い、体内时计が低温时にどのように停止するのかを详しく计测、解析しました。その结果、室温では强いリズムが存在しますが、温度を下げていくとリズムの振れ幅が小さくなり、そして、19℃以下ではリズムが止まってしまうことがわかりました。このようなリズムの停止の特徴は、数学上の分类であるホップ分岐と呼ばれるものと同じでした。これはブランコのリズムに例えることができます。つまり、室温では人がこいでいるブランコのように揺れ続けることができますが、温度を下げていくとブランコをこぐ力が弱くなり、19℃以下ではこぐのをやめた状况に対応します。
研究グループは、このような体内时计とブランコの类似性から、次の実験を着想しました。ブランコは、たとえ乗り手がこぐのをやめていても、上手いタイミングで繰り返し押してやれば小さな力でも大きく揺らすことができます。そこで実际に、低い温度で止まってしまった体内时计にほぼ24时间のリズムで2℃の温度変化を与えました。すると、低温では决して现れないような强いリズムが観察されました。この现象は物理学でよく知られている共鸣现象とよばれているものと同じで、体内时计でも共鸣が起こることが初めて発见されました。
また共鸣によって体内时计の振れ幅を大きくするという试みはコンピュータシミュレーションによっても再现できました。これはバクテリアのみならず、ヒトを含む他の生き物に共鸣现象を応用できる可能性を示唆しています。将来共鸣现象を使って私たちの体内时计をメリハリのあるものへと変えることができるかもしれません。
本研究成果は、2017年5月17日(米国時間)に米国科学アカデミー紀要「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America(PNAS)」電子版に掲載されました。
室温では体内时计は自律して振动する。低温ではこぐのをやめたブランコのように揺れがだんだんと弱まってしまう。そこに周期的に刺激を与えればまた揺らすことができる。
実験生物学者と理论物理学者が计画段阶から协力した独自性の高い研究です。スルメのように噛むほど味のある论文になったと思っています。