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Research Results 研究成果

オートファジーによるミトコンドリア分解の仕组みとその微细构造を解明

~隔离膜はミトコンドリアに密着して伸长する~
医学研究院
山下 俊一 助教
2025.05.12
研究成果Life & Health

ポイント

  • ミトコンドリアオートファジー(※1)(マイトファジー)诱导时に、ミトコンドリア外膜に密着する隔离膜(※2)の微细构造を明らかにしました。
  • マイトファジーに必须な因子である叠狈滨笔3と狈滨齿が、ミトコンドリアと隔离膜の间に集积し、両者の密着を促进することを明らかにしました。
  • 叠狈滨笔3と狈滨齿を介したマイトファジーは、ミトコンドリアの恒常性维持に重要です。今回新たに発见した微细构造とその分子机构は、ミトコンドリア异常を伴う疾患に対する有望な治疗标的となることが期待されます。

概要

マイトファジーは、异常なミトコンドリアを选択的に分解することで、ミトコンドリア机能の维持に贡献するとともに、异常ミトコンドリアより生じるストレスから细胞を保护しています。ある种のミトコンドリア外膜タンパク质はマイトファジーレセプター(※3)と呼ばれ、オートファジーに必须な膜构造体(隔离膜)をミトコンドリア上に繋留することでマイトファジーを促进します。しかしミトコンドリアと隔离膜がどのように接触するのかは分かっていませんでした。

九州大学大学院医学研究院の山下俊一助教、神吉智丈教授、名古屋大学大学院医学系研究科の荒井律子讲师、福岛県立医科大学の和栗聡教授らの共同研究グループは、长年未解明だったミトコンドリア-隔离膜复合中间体の微细构造とその形成分子机构を明らかにしました。具体的には、ミトコンドリア-隔离膜接触部位の电子顕微镜観察により、隔离膜がミトコンドリア外膜に密着して伸长すること、さらにマイトファジーレセプターがミトコンドリアと隔离膜の间に集积することでこの密着を可能にしていることを解明しました。

今回の研究成果は、マイトファジー研究のブレイクスルーとなるだけでなく、ミトコンドリア异常を伴う様々な疾患に対する治疗法の开発において有望な标的として期待されます。

本研究は、ウォルター?エリザ?ホール医学研究所のMichael Lazarou教授、カリフォルニア工科大学のDavid C. Chan教授らとの共同研究で行われ、研究成果は米国の科学雑誌「Journal of Cell Biology」に2025年5月12日(月)午後10時(日本時間)に掲載されました。

用语解説

(※1) オートファジー
细胞が自身の成分を分解する现象を指し、自食作用とも呼ばれます。细胞内で新たに作り出された二重膜(隔离膜)が伸长し、细胞成分を包み込んで球状の构造(オートファゴソーム)になった后、ここに分解酵素を含むリソソームが融合することによって内容物が低分子へと分解されます。オートファジーはタンパク质をアミノ酸に分解して栄养として再利用するだけでなく、ミトコンドリアや小胞体のような细胞小器官を分解することで、その质や量を调节しています。

(※2) 隔離膜
オートファジー诱导时に细胞质に出现する扁平な二重膜构造体を隔离膜と呼びます。隔离膜は伸びながら湾曲し、ミトコンドリアなどを包み込んでオートファゴソームとよばれる小胞になります。

(※3) マイトファジーレセプター
ミトコンドリア外膜タンパク質の中でも、隔離膜タンパク質であるLC3と結合することができるドメインを持つタンパク質群をマイトファジーレセプターと呼びます。代表的なマイトファジーレセプターには、BNIP3、NIX (BNIP3L)、FUNDC1、BCL2L13、FKBP8があります。

论文情报

掲載誌:Journal of Cell Biology
タイトル:The mitophagy receptors BNIP3 and NIX mediate tight attachment and expansion of the isolation membrane to mitochondria
著者名:Shun-ichi Yamashita#, Ritsuko Arai#, Hiroshi Hada, Benjamin Padman, Michael Lazarou, David C. Chan, Tomotake Kanki*, Satoshi Waguri* (#共同筆頭著者、*共同責任著者)
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