Research Results 研究成果
九州大学大学院农学研究院の立花宏文主干教授らの研究グループは、东京工业大学田中浩士准教授の研究グループと共同で、膵臓がん干细胞の机能を阻害する化合物を発见しました。
膵臓がんは、现在、最も治疗の困难ながんの一つと言われており、その5年生存率はわずか5%程度と非常に低いのが现状です。近年、その原因としてがん干细胞と呼ばれる细胞集団の机能が注目されていますが、がん干细胞机能を阻害する有効な手法はいまだ确立されておりません。
本研究グループは先行研究において、肠骋惭笔という分子が膵臓がんのがん干细胞机能に重要な役割を担っていることを见出しました。
そこで、がん细胞に肠骋惭笔产生を诱导する緑茶の主要成分贰骋颁骋と、肠骋惭笔を分解する酵素として知られる笔顿贰3阻害剤を膵臓がん细胞に作用させたところ、がん干细胞机能の指标であるスフェロイド形成能が抑制されました。
また、膵臓がん移植マウスモデルにおいて肿疡成长ならびに肝臓への転移が剧的に抑制されることを见出しました。
さらに、贰骋颁骋诱导体の中からスフェロイド形成能阻害活性に基づくスクリーニングを行い、膵臓がん干细胞机能を强力に阻害する化合物を発见しました。
本研究により、緑茶カテキン贰骋颁骋の作用増强が膵臓がん干细胞机能の阻害に有効である可能性が示されました。さらに、本研究で発见した化合物は、膵臓がんに対する新たな治疗薬となることが期待されます。
本研究成果は、2017年5月15日(月) 午前10時(英国夏時間)に国際学術雑誌の「Scientific Reports」にてオンライン掲載されました。
緑茶カテキンの研究が膵臓がんの弱点をあぶり出すとは惊きでした。膵臓がん治疗研究の一助となればと思っています。