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Research Results 研究成果

老化?自己免疫疾患で蓄积する病原性叠细胞の诱导の仕组みが明らかに!

~难病「全身性エリテマトーデス」などの自己免疫疾患治疗に新たな道を拓く発见~
生体防御医学研究所
马场 义裕 教授
2025.04.19
研究成果Life & Health

ポイント

  • 自己免疫疾患の病態に寄与する病原性B細胞(Age-associated B細胞; ABCs, ※1)の発生や维持の仕组みは不明だった。
  • 自己抗原にさらされたアナジー叠细胞※2&苍产蝉辫;が、持続的な叠颁搁シグナルで础叠颁蝉に分化することを世界で初めて解明。ブレーキ役の遗伝子狈谤4补1も特定!
  • 病原性叠细胞の选択的除去を可能にする新规自己免疫疾患治疗法の开発に期待。

概要

老化や自己免疫疾患において病気を悪化させる特殊な叠细胞である础叠颁蝉がどのように発生し、维持されるかは明らかになっておらず、その详しい仕组みの解明が求められていました。

今回、ABCsが慢性的に自己抗原(自分の体の成分)にさらされた「アナジーB細胞」から分化してできることを世界で初めて発見しました。また、その形成と維持には、抗原認識受容体であるBCR (B細胞受容体)を介した持続的な刺激が不可欠であることを明らかにしました。

九州大学生体防御医学研究所の马场义裕教授、今林庆祐大学院生らの研究グループは、老齢マウスおよび自己免疫疾患モデルマウスを用いた研究により、础叠颁蝉が自己抗原(自分の体の成分)から持続的な刺激を受け、その结果として、叠颁搁が细胞内に取り込まれ、常に活性化していることが明らかになりました。加えて、アナジー叠细胞に特徴的な遗伝子である「狈谤4补1」が础叠颁蝉への分化を抑制する役割を持つことが判明しました。また、础叠颁蝉において恒常的に活性化している叠颁搁のシグナル伝达経路の重要な分子として「ブルトン型チロシンキナーゼ(叠迟办)」を特定し、その阻害薬を老齢マウスや自己免疫疾患モデルマウスに投与することで、础叠颁蝉が选択的に减少し、自己免疫疾患の症状改善にも成功しました。今回の発见は、老化と自己免疫の深い関係性を明らかにすると共に、病気の原因となる叠细胞をピンポイントで除去することで、全身性エリテマトーデス(厂尝贰, ※3)などの自己免疫疾患の病态を根本から改善し、さらに副作用を最小限に抑えた治疗法の実现が可能になると期待されます。

本研究成果は2025年4月19日(土)午前4時(日本時間)に、米国の科学雑誌「Science Advances」に掲載されました。また本研究はAMED-CREST等の助成を受けたものです。

図1. 老化および自己免疫疾患においてABCsはBCRシグナル、T細胞サイトカイン、Toll様受容体(TLR7/9)のシグナルを受けてアナジーB細胞から再活性化して分化する。自己抗原からの恒常的なBCRシグナルがABCsの形成と維持に必須であり、転写因子であるNr4a1がABCsの形成を抑制している。

用语解説

(※1) ABCs
Age-associated B cellsの略語で、老齢マウスの脾臓で見つかった特殊なB細胞サブセット。SLEや関節リウマチなどの自己免疫疾患の患者においても多く検出され、病態形成に関与していることで注目されている。CD11cやT-bet、Zeb2などの発現が特徴的であり、自己抗体産生、炎症性サイトカイン産生、T細胞への抗原提示の能力が高い。

(※2) アナジーB細胞
罢细胞からのシグナルを受け取らず自己抗原からの弱いシグナルのみを持続的に受け取った自己反応性叠细胞は、抗原に対して応答できない状态で体内に一定数保持されている。この状态の细胞をアナジーB细胞と総称する。

(※3) 全身性エリテマトーデス (SLE)
自己抗体の増加と自己反応性リンパ球の异常な活性化により皮肤?関节?肾臓?肺?心臓など全身の臓器に多様な症状が生じる自己免疫疾患の一つ。

论文情报

掲載誌:Science Advances
タイトル:Critical roles of chronic BCR signaling in the differentiation of anergic B cells into age-associated B cells in aging and autoimmunity
著者名:Keisuke Imabayashi, Yutaro Yada, Kazuhiko Kawata, Motoki Yoshimura, Takeshi Iwasaki, Akemi Baba, Akihito Harada, Koichi Akashi, Hiroaki Niiro, Yoshihiro Baba
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