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Research Results 研究成果

个别化ネオアンチゲンワクチン疗法の膵臓がんでの治疗効果を検証

~膵臓がんに対する新しい免疫疗法の可能性~
医学研究院
仲田 兴平 准教授
2025.04.09
研究成果Life & Health

九州大学大学院医学研究院 临床?肿疡外科(教授 中村 雅史)の仲田兴平准教授、小山虹辉博士课程学生は福冈がん総合クリニックの森崎隆院长及び国立研究开発法人医薬基盘?健康?栄养研究所 难病?免疫ゲノム研究プロジェクトの清谷一马プロジェクトリーダーらとの共同研究で、患者のがんゲノム情报をもとに作製した个别化ネオアンチゲン树状细胞ワクチン(※1)が膵臓がん患者で治疗効果を示すことを明らかにしました。

これまでの研究について

膵臓がんは进行が非常に早く、発见されたときにはすでにかなり进行していることが多いため、极めて予后が悪いがんです。膵臓がんは、抗がん剤やこれまでの免疫疗法も効きにくいため、新たな治疗法の开発が求められてきました。本研究グループは、患者のがんのゲノム情报から、がん细胞のみに存在する目印であるネオアンチゲン(※2)を见つける方法を开発し、そのネオアンチゲンを患者から採取した树状细胞に取り込ませ、投与する树状细胞ワクチンによるがん治疗法を行ってきました。

今回の研究では、16名の膵臓がん患者に対し、个别化ネオアンチゲン树状细胞ワクチン治疗を行い、ネオアンチゲンに対する罢细胞の免疫反応及び治疗効果との関连を検讨しました。

研究成果のポイント

  • ネオアンチゲン樹状細胞ワクチン治療により、16名のうち13名 (81.3%) の患者でネオアンチゲン特異的なCD8+(陽性) T細胞(※3)及びCD4+(陽性) T細胞(※4)を诱导できることを明らかにしました。
  • 再発后にネオアンチゲン树状细胞ワクチン治疗した9名の患者のうち、ネオアンチゲン特异的罢细胞が诱导できた患者では长期的な生存が认められることを确认しました。
  • 再発予防の术后补助疗法としてネオアンチゲン树状细胞ワクチン治疗した7名の患者では、中央値5年间の経过観察中に再発が认められたのは1名のみであり、全员が生存していることを明らかにしました。

以上の结果から、これまで有効な治疗法がなかった膵臓がんに対し、ゲノム情报に基づく个别化ネオアンチゲン树状细胞ワクチンは新たな治疗法として有望である可能性が示されました。今后、より多くの患者を対象とした前向き临床试験での検証が必要と考えています。

本研究成果は、2025年4月3日に国際科学誌「Frontiers in Immunology」に発表されました。

用语解説

(※1)樹状細胞ワクチン: 患者自身の免疫細胞を使ってがんを治療する方法です。患者から樹状細胞を取り出し、ネオアンチゲンなどのがんの目印となる抗原を取り込ませて再び体内に戻すことで、体の中でがん細胞を認識する免疫細胞を増やし、がんを攻撃できるようにします。

(※2)ネオアンチゲン: がん細胞で起こる遺伝子変異(遺伝子の傷)により生じ、正常細胞には存在しない新たながん特異的な抗原です。T細胞ががん細胞を攻撃するとき、がん細胞の目印となります。

(※3)CD8+(陽性)T細胞: 細胞表面にCD8分子を発現しているT細胞で、細胞傷害性T細胞またはキラーT細胞とも呼ばれます。がん細胞やウイルス感染細胞などを認識して攻撃し、破壊する細胞です。

(※4)CD4+(陽性)T細胞: 細胞表面にCD4分子を発現しているT細胞で、多くはヘルパーT細胞として細胞傷害性T細胞やB細胞の活性を促進する細胞です。

论文情报

掲載誌:Frontiers in Immunology
タイトル:Neoantigen Peptide-Pulsed Dendritic Cell Vaccine Therapy After Surgical Treatment of Pancreatic Cancer: A Retrospective Study
著者名:Koki Oyama1, Kohei Nakata1, Toshiya Abe1, Kento Hirotaka1, Nao Fujimori2, Kazuma Kiyotani3, Chika Iwamoto1, Naoki Ikenaga1, Shinji Morisaki4,5, Masayo Umebayashi4, Hiroto Tanaka4, Norihiro Koya4, Shinichiro Nakagawa4, Kenta Tsujimura4, Sachiko Yoshimura6, Hideya Onishi1, Yusuke Nakamura3, Masafumi Nakamura1, Takashi Morisaki4

1 Department of Surgery and Oncology, Faculty of Medical Sciences, Kyushu University, Fukuoka, Japan
2 Department of Medicine and Bioregulatory Science, Faculty of Medical Sciences, Kyushu University, Fukuoka, Japan
3 National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition, Osaka, Japan
4 Department of Cancer Immunotherapy, Fukuoka General Cancer Clinic, Fukuoka, Japan
5 Department of Medicine and Clinical Science, Faculty of Medical Sciences, Kyushu University, Fukuoka, Japan
6 Cancer Precision Medicine Inc., Kawasaki, Japan

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