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Research Results 研究成果

令和6年9月能登半岛豪雨の発生要因を解明

~海洋热波が台风の远隔降雨を増幅~
理学研究院
川野 哲也 助教
2025.03.25
研究成果Environment & Sustainability

ポイント

  • 台風14号(Pulasan)による遠隔降雨が日本海南部で顕著になっていた。関連して、能登半島付近に膨大な水蒸気が流入しており、その値は1,600 kg m-1 s-1に達していた。
  • 豪雨発生时、黄海から日本海南部にかけての海水温が极端な高温状态(平年値より+4.5℃を超える)になっており、カテゴリー3の海洋热波が生じていた。
  • 高解像度数値シミュレーションによる海面水温改変実験から、海洋热波が台风の远隔降雨を増幅させることによって、能登半岛豪雨が引き起こされたことが明らかになった。

概要

令和6年(2024年)9月21日午前を中心に能登半岛北部で记録的な豪雨が発生し、同时多発的な斜面崩壊や土石流?泥流による甚大な灾害が引き起こされました。秋雨前线の降水帯が対马海峡から能登半岛へ延び、半岛北部では48时间积算のレーダー解析雨量の最大値が512尘尘に达していました。

本研究で、九州大学大学院理学研究院の川野哲也助教と川村隆一教授の研究グループは、高解像度数値シミュレーションと大気再解析データを併用して、能登半島奥能登地域に記録的豪雨をもたらした降水システム(線状降水帯を含む)を再現し、その発生?持続メカニズムの全容を解明しました。解析結果から、①本豪雨は台風14号(Pulasan)がもたらした遠隔降雨であり、台風近傍から能登半島へ1,600 kg m-1 s-1に達するほどの強い水蒸気の流入が生じていたこと、②水蒸気流入の直下に位置する日本海南部の海水温は平年に比べて+4.5℃を超える異常高温(海洋熱波)となっており、海洋熱波が台風の遠隔降雨を増幅させていたこと、③本豪雨の期間降水量の最大値で38%、領域平均値で27%が海洋熱波によるものと見積もられることを明らかにしました。

これらの知见は、日本周辺海域で海洋热波が発生していると台风の远隔降雨が増幅され、沿岸地域で豪雨が発生する危険度が急速に高まることを强く示唆しており、豪雨灾害ハザード(危険度)予测の観点から、台风活动の予测だけではなく、海洋热波の予测も益々重要な课题になると考えられます。

本研究成果は、2025年3月23日(日)に国際学術誌「Scientific Online Letters on the Atmosphere」にオンライン掲載(早期公開)されました。また本研究はJSPS科研費補助金(JP22K03720, JP24H00369)の助成を受けました。

参考図

雲解像モデルを用いた高解像度数値シミュレーションの計算領域。 領域D1, D2, D3の水平解像度はそれぞれ9km, 3km, 1kmである。下部境界条件である海面水温分布も併せて示している。

论文情报

掲載誌:Scientific Online Letters on the Atmosphere
タイトル:Impact of unusually high SSTs in the southern part of the Sea of Japan on heavy rainfall that occurred in Noto, Japan, on 21 September 2024
著者名:Tetsuya Kawano, and Ryuichi Kawamura
顿翱滨:10.2151/蝉辞濒补.2025-021

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