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Research Results 研究成果

日本の専门家が森林管理に望むこと

――特定の森林の机能だけでなく、多様な机能を重视した政策を――
农学研究院
太田 彻志 准教授
2025.03.06
研究成果Environment & Sustainability

ポイント

  • 日本の森林政策に様々な立场で関わる専门家の要望や期待(ニーズ)を精査した结果、立场や専门性に関わらず、森林の水土保全机能がもっとも重视されていることがわかりました。

  • 本成果は、日本で2024年に导入された森林环境税をはじめとした、森林管理に関する国内外の政策?取り组みを実施する际の重要な科学的根拠となります。
  • 近年、森林が持つ机能のなかでも二酸化炭素の大気中からの隔离と炭素贮留が大きく注目されていますが、その他の多様な机能も軽视できません。资金をはじめとする森林管理のリソース配分を考えるとき、国民がより多くの恵みを享受できる仕组みの熟考が必要ということが改めて示されました。

概要

東京大学先端科学技術研究センターの森章教授、鈴木紅葉特任研究員、栃木香帆子特任研究員、大学院農学生命科学研究科の曽我昌史准教授、九州大学大学院农学研究院の太田徹志准教授、溝上展也教授らによる研究グループは、政策立案者、実務者、科学者などの様々な立場で日本の森林に関わる個人を対象としたアンケート調査を実施し、立場や専門性に関わらず、森林の有する機能のなかで「水土保全機能」(注1) がもっとも重视されることを明らかにしました(図1)。

近年、地球温暖化の缓和策として注目されているのは、森林が大気中から温室効果ガスである二酸化炭素を吸収し、炭素を贮留する机能です。そのために世界的には、植林による森林面积の拡大を目指すプログラムが多く実施されています。一方で、森林の有する多面的な公益的机能は、よく知られている木材生产(注2) や地球温暖化防止だけでなく、土壌の保全や水源の涵养、人间の健康や教育?文化に対する贡献など非常に多岐に渡ります。

本成果は、単一の森林の机能(とくに地球温暖化缓和(注3) )の発挥に偏りすぎた政策へ警鐘を鸣らすと同时に、森林のもつ多様な価値を认识する重要性を强调しています。

私たちの生活は森林の有する多面的机能によって支えられています

用语解説

(注1)水土保全
本研究では、森林がもつ水源涵养机能や土壌保全机能を取り上げました。

(注2)木材生产
本研究では、木材の生产过程に関する技术やその他の多面的机能との调和を取り上げました。

(注3)地球温暖化缓和
本研究では、森林による気候调整や木材による素材?燃料の代替を通じた温暖化缓和を取り上げました。

论文情报

雑誌名:Journal of Applied Ecology
題 名:Assessing the priorities of stakeholders regarding forest ecosystem services in Japan
著者名:Akira S Mori*?, Kureha F Suzuki?, Masashi Soga, Tetsuji Ota, Masumi Hisano, Yohei Arata, Kahoko Tochigi, Kazuhiro Kawamura, Makoto Ehara, Wataru Hotta, Kosuke Nakama, Takanobu Aikawa, Rei Shibata, Fumiko Nakao, Yosuke Kuramoto, Mitsuru Hirose, Kimika Sano, Rebecca Spake, Nobuya Mizoue (?Equal contribution)(后日修正あり)
DOI:

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