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Research Results 研究成果

甘い味がする新规の香気成分の発见と甘さを感じる仕组みの解明

― より自然な甘味の実現に向けて ―
歯学研究院
实松 敬介 讲师
2025.03.14
研究成果Life & Health

ポイント

  • 果物に含まれる香気成分の中から甘味を持つ成分を発见しました。
  • この成分をはじめとする疎水性で甘味を示す成分は、水溶性の甘味物质と同じ甘味受容体1)に結合するものの、結合する场所が異なることや、マウスでは逆に甘味阻害物質として作用することなど、甘味を感じるユニークな仕組みを明らかにしました。
  • この成果は新たな非糖质系天然甘味料の开発への道を开き、食品の低糖化を通じて嗜好性と健康の両立に贡献します。

概要

甘味を持つ物质は一般に砂糖のように水に溶けやすいと考えられていますが、植物には甘味を示す低分子の疎水性成分(香気成分など)があることが知られていました。しかし、これらの成分は甘い香りと混同されやすく、実际にどのように甘味を感じるかについては十分に解明されていませんでした。

今回、农研机构は、未知の甘味をもたらす香気成分を探索し、リンゴなどの果物や野菜に含まれるトランス-2-ヘキセナール2)が甘味を持つことを発見しました。さらに、九州大学、東京歯科大学短期大学、筑波大学、大阪大学蛋白質研究所(研究当時、岡山大学)と共同して、トランス-2-ヘキセナールと既知の甘味を呈する低分子疎水性成分が甘味受容体に結合する场所を解析したところ、これらの成分は、砂糖のような水溶性甘味物質とは異なる场所に結合することが分かりました。また、マウスで実験した結果、これらの成分は甘味を感じさせないか、逆に他の甘味物質によって感じる甘味を抑えることも確認されました。これらの発見は、甘味を持つ香気成分を甘味料として活用する新しい食品設計の道を開くものです。特に、砂糖をはじめとする天然甘味料と組み合わせることで、より自然な甘味を持つ低糖食品や飲料の実現が期待されます。

低分子疎水性成分の甘味/甘味阻害効果の発见

用语解説

1) 甘味受容体(TAS1R2/TAS1R3)
甘味を感じるためのセンサーのような役割を持つタンパク质。主に舌にある味蕾に存在し、甘味物质が结合すると「甘い」という信号が発生して脳まで伝えられる。甘味受容体は罢础厂1搁2と罢础厂1搁3の2つのタンパク质からできており(図2)、それぞれ细胞膜外领域、システインリッチ领域、细胞膜贯通领域の主に3つの领域から成り立つ。多くの甘味物质は罢础厂1搁2の细胞膜外领域に结合し、一部の甘味物质や甘味阻害物质が罢础厂1搁3の细胞膜贯通领域に结合することが明らかにされてきた。

2) トランス-2-ヘキセナール
一部の果物や野菜に含まれる挥発性の成分で、フレッシュでグリーンな香りを持つ。今回は甘味を感じる作用も持つことを発见した。

论文情报

掲載誌:Scientific Reports
タイトル:Receptor mechanism producing a sweet taste from plant aroma compounds
著者名:Fuyumi Horie, Keisuke Sanematsu, Keiko Yasumatsu, Takatsugu Hirokawa, Noriatsu Shigemura, Atsuko Yamashita, Yuko Kusakabe
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