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Research Results 研究成果

拍动流中における柔软な粒子の局在化现象を発见

~细胞分离?検诊?创薬における新戦略の提示~
工学研究院
武石 直树 准教授
2025.04.11
研究成果Physics & ChemistryMaterialsTechnology

ポイント

  • 细胞のような柔软な粒子(内部流体と膜から成るカプセル)が管路内の拍动流中(※1)で「どこ」を「どのように」安定して流れるのか、という物理は自明ではなかった。
  • 数値シミュレーション技术を駆使し、拍动流中でのカプセル(※2)がその変形量と拍动周波数に応じて管路断面内の特定の位置に収束することを明らかにした。
  • 本知见は、次世代の细胞分离技术、细胞検诊、创薬スクリーニング技术に応用されることが期待される。

概要

ヒト血液の输送は特定の周波数を有する拍动流であることからも、非定常な流れ(※3)(时间的に変化する流れ)における変形粒子の挙动の解明は、生命现象を维持する力学の理解にとどまらず、医疗デバイス设计に関わる基础的知见と言えます。しかしながら、流路中を流れる粒子の変形と位置を実験的に追跡することは困难であるため、细胞のような柔软な粒子がそもそも流路内の拍动流中で「どこ」を「どのように」安定して流れるのか、という物理は自明ではありませんでした。

九州大学大学院工学研究院の武石直樹准教授は、京都大学数理解析研究所の石本健太准教授、東京電機大学工学部の横山直人教授および沖縄科学技術大学院大学のMarco Edoardo Rosti准教授と共同し、数値シミュレーション技術を駆使することで、管路内拍動流中を流れる柔軟な粒子(内部流体と膜から成るカプセル)が、自身の変形量と拍動周波数に応じて管路断面内の特定の位置に収束することを発見しました。

本研究グループは、管路内拍动流中のカプセルの流动を数値シミュレーションによって再现し、拍动周波数やカプセルの膜物性に対するカプセル挙动について大规模な数値解析を実行しました。これにより、カプセルが自身の変形量と背景の拍动周波数に応じて管路断面内の特定の位置に収束することを明らかにしました。本研究によって、管路内拍动流中の球形カプセルが、管路断面内の「どこ」を「どのように」安定して流れるのかを体系化したと言えます。

本知见は、拍动周波数による変形量制御という観点に基づいた、新たな细胞分离技术や细胞検诊、创薬スクリーニング技术に応用されることが期待されます。今后は、マイクロ流体デバイスシステムなどを用いて、数値シミュレーションによって见积もられた特异な周波数帯の存在を実験的に立証することや、実际の细胞悬浊液から特定の细胞种が分离可能であることを実証することが课题となります。

本研究成果は、「Journal of Fluid Mechanics」に2025年4月9日(水)に掲載されました。

武石准教授からひとこと

図1. 管路内拍動流中を流れる球形カプセルの挙動 (緑の点は膜上のマーカー)

本研究により、流路内の柔软な粒子の挙动が、従来まで指摘されてきた変形量だけではなく、拍动周波数(周期)にも依存しており、流路内の粒子位置の制御がその周波数の调整によって実现できることがわかりました。今后は、数値シミュレーションで得られたこれらの知见を実験的に立証することや、実际の细胞悬浊液の分离技术として応用することを目指します。

用语解説

(※1) 拍動流
流量が周期的に変化する流れのことを指します。本研究では、定常な流れ场に、周期振动する流れ场を重ねることによって拍动流を表现しています(図2参照)。

(※2) カプセル
本研究では、内部流体が薄い弾性膜で覆われた粒子のことをカプセルと定义します。

(※3) 非定常な流れ
时间的に変化する流れ。

论文情报

掲載誌:Journal of Fluid Mechanics
タイトル:Inertial focusing of spherical capsule in pulsatile channel flows
著者名:Naoki Takeishi, Kenta Ishimoto, Naoto Yokoyama, Marco Edoardo Rosti
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