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Research Results 研究成果

オートファジーが膵癌を支える細胞の活性化に関与している事を発見 -全く新しい膵がん治療法の開発に期待-

2017.05.09
研究成果Life & Health

 九州大学大学院医学研究院の中村雅史教授、九州大学病院の仲田兴平助教、大学院3年生の远藤翔らの研究グループは、膵がん细胞の転移、浸润に影响を与えている膵星细胞の活性化にオートファジーが関与している事を発见し、膵星细胞のオートファジーを抑制することが、新たな膵がん治疗法となる可能性を见出しました。
 膵がんは5年生存率が9.2%であり、他のがんと比較しても極めて予後が不良な疾患で、その予後の改善は社会的急務と言えます。がん組織の中には、がん細胞の他に線維芽細胞を中心とした“間質”と呼ばれる構造があり、この間質に存在する細胞が、がん細胞の転移、浸潤を促していると言われています(癌間質相互作用)。膵がんで癌間質相互作用の中心を担っている細胞が “膵星細胞”です。これまで本学の中村雅史教授、大内田研宙助教らは膵星細胞が膵がんの悪性化に重要であると考え、膵星細胞の活性化に関する研究を行ってきました。
 “オートファジー”は细胞が自己成分を分解するシステムの一つですが、老化や免疫、さらには、発がん、糖尿病、神経疾患など様々な疾患に関与していることが报告され、现在、世界中で大きな注目を集めています。今回、研究グループは、膵星细胞のオートファジーを抑制する事で膵星细胞から分泌される滨尝-6;滨苍别谤濒别耻办颈苍-6やコラーゲンの产生が抑制され、その结果、膵がん细胞の転移や、浸润が抑制される事を明らかにしました(図1右図)。また、膵がん细胞と膵星细胞を移植したマウスにオートファジー抑制剤であるクロロキン;颁蚕を投与したところ、がん细胞の肝転移や腹膜播种が抑制される事も确认しました(図1左図)。
 予后が不良な疾患と言われている膵がんですが、本研究结果は、膵星细胞および膵がん细胞のオートファジーを抑制することが膵がんに対する新たな治疗法となる可能性を示唆しており、その结果、膵がんの予后が改善することが期待されます。
 本研究成果は、米国科学雑誌「骋补蝉迟谤辞别苍迟别谤辞濒辞驳测」の2017年5月号に掲载されました。

研究者からひとこと

膵がんの予后は他のがんに比べてまだまだ満足できると状况とは言えません。本研究结果が膵がん治疗のブレイクスルーとなる事を期待し、今后さらに研究を进めて参りたいと思います。

  • 本研究についての详细は

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