Research Results 研究成果
ポイント
概要
韩国初の昆虫学者である石宙明の昆虫标本は、戦争等で焼失したとされていた。しかし、韩国国立生物资源馆(代表:安能浩生物研究士)と九州大学(代表:广渡俊哉特任教授)の共同调査により、石が1930-40年代に朝鲜半岛で採集した昆虫标本35种129个体が九州大学大学院农学研究院に保管されていることが明らかとなった。これらの标本は、日本の昆虫研究者(冈岛银次、江崎悌叁、杉谷岩彦、柴谷篤弘など)と交流があった石本人が1930年代に九州大学に寄赠したものである。
その中には、韩国では済州岛のみに分布する希少种ヒメシジミや、大型の寄生バチであるウマノオバチ、个体群が减少している草原性のチョウセンキバネツノトンボなどが含まれていた。このように戦前に朝鲜半岛で採集された昆虫标本は韩国にはほとんど保管されておらず、当时の环境を知る上で重要なものである。石宙明の标本については、2024年9月に九州大学から韩国国立生物资源馆に移管された。また、石宙明の标本が多数见つかったということで、韩国では注目されて大々的に报道され、シンポジウムも开催された。
なお、本研究成果は、韓国の学術誌「Journal of Species Research (JSR)」に2024年11月30日に公開された。
研究者からひとこと
九州大学では、石宙明が採集?寄赠した标本を90年以上保管していたことになりますが、韩国でまとめて管理?利用した方がよいと判断しました。韩国侧の研究者は九州大学で热心に调査を行って多くの石宙明标本を确认し、长年の标本管理に感谢するとともに、韩国に移管されたことを大変喜んでいます。これを机に、両国の共同研究がさらに进展することを祈念しています。(广渡俊哉)
追记
2024年11月28日に、韩国国立生物资源馆(仁川市)で、石宙明の标本が発见?移管されたことを记念して、韩国昆虫学会の年次大会で石宙明に関する特别シンポジウムが开催されました(4人の演者が讲演)(资料1)。このシンポジウムで、广渡特任教授が「1920-40年代に石宙明と関係のあった日本の昆虫学者」と题して讲演しました(资料2)。
座長:Neung-Ho Ahn(安能浩)
Kim Chanmu 韓国国立生物資源館課長(寄贈標本と資源館収蔵庫について)
Toshiya Hirowatari 九州大学特任教授(石宙明と日本の昆虫学者)
惭辞辞苍 惭补苍测辞苍驳 全北大学教授(石宙明と韩国の分类学歴史)
驰辞辞苍 驰辞苍驳迟补别办 済州大学教授(韩国のルネサンス人石宙明)
(※かっこ内は発表内容)
论文情报
掲載誌:Journal of Species Research 13(4):404-416, 2024
タイトル:List of insect collection by Du-Myung Seok preserved at Kyushu University in Japan
著者名:Neung-Ho Ahn, Wanggyu Kim, Changmu Kim, Sadahisa Yagi, Jinhyeong Park, Satoshi Kamitani,Toshiharu Mita and Toshiya Hirowatari
顿翱滨:10.12651/JSR.2024.13.4.404
?本研究の详细についてはこちら
お问い合わせ先
农学研究院 廣渡俊哉 特任教授