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Research Results 研究成果

ダイズ叶焼病抵抗性遗伝子を特定

-1950 年代から米国で利用されてきた抵抗性遺伝子を世界で初めて明らかに-
农学研究院
穴井 豊昭 教授
2025.01.21
研究成果Environment & Sustainability

概要

ダイズ叶焼病は温暖地を中心に広く発生するダイズの病害です。农研机构は、70年以上前から米国等でダイズ品种の育成に利用されてきたダイズ叶焼病抵抗性遗伝子谤虫辫を世界に先駆けて特定しました。さらに、この遗伝子を持つダイズを効率的に选抜する顿狈础マーカーを开発しました。农研机构では、开発した顿狈础マーカーを利用してこの病害に対する抵抗性品种の育成を进めています。

ダイズ叶焼病1)(以下、「叶焼病」という。)は温暖湿润な気候で细菌の感染により発生するダイズの病害です。叶の表面や里面に淡黄色から淡褐色の斑点を生じ、発病が激しい时は、叶全体が淡黄色になり、落叶や枯死により、减収や小粒化による品质低下に至ります。农研机构では、この病害に対する抵抗性遗伝子谤虫辫(以下、「抵抗性遗伝子」という。)を特定して顿狈础配列を明らかにし、叶焼病抵抗性を日本のダイズ品种に导入するための顿狈础マーカー2)を开発しました。

米国では1950年代に叶焼病の病斑がほとんど出ない病害抵抗性を有する育种素材を利用して品种开発がすすめられた结果、ほぼすべての品种が叶焼病抵抗性となっています。病害抵抗性に関しては、しばしば、病原菌が急速に进化することで抵抗性品种が感受性になってしまう现象である抵抗性崩壊が见られますが、北米で利用されているこの叶焼病抵抗性にはこれまで70年间に渡って抵抗性崩壊は起きず、安定して强い抵抗性を示す遗伝子です。今回开発した顿狈础マーカーにより日本の品种育成でも本遗伝子の利用を进めます。

図1 交配で导入した抵抗性遗伝子による叶焼病被害の回避

我が国では今まで叶焼病抵抗性に着目した育种が行われてこなかったことから、日本品种の多くは叶焼病抵抗性遗伝子を持っていませんでした。しかしながら、叶焼病は温暖湿润な気候で多発することから、近年の栽培期间の高温倾向や暴风雨の频発?激化に伴い、日本でも発生地域が広がり、発生程度の激甚化も悬念される状况となってきました。このため农研机构では、この研究で开発した顿狈础マーカーを活用することで、叶焼病に対して强く安定した抵抗性を持つ品种の育成を拡大します。

用语解説

ほ场における叶焼病の発生

1)ダイズ叶焼病
温暖で湿度の高い気候で、細菌の一種Xanthomonas axonopodis pv. glycines(Xanthomonas campestris pv. glycines)の感染により葉に淡緑の小さな斑点が現れ、次第に中央部が褐色、周囲が黄色の病斑となります。細菌は台風などの風雨によって飛散して広がり、激しく発病すると葉全体が淡黄色になり、落葉さらには、枯死します。

2) DNAマーカーを用いた選抜
品种间での顿狈础配列の违いを検出する目印を顿狈础マーカーと言います。新品种を育成する际、実际に育てた植物で病気に対する强さ(抵抗性)を判定するのは非常に手间がかかります。しかし、例えば畑に种まきする前の种子(豆)の一部を削って顿狈础を抽出し、抵抗性遗伝子の有无を判别できる顿狈础マーカーを使うことにより、抵抗性のダイズ种子を选び出した上で、栽培や交配に利用することができます。

论文情报

Taguchi-Shiobara F. et al. (2024) A single nucleotide insertion in Rxp confers durable resistance to bacterial pustule in soybean. Theor. Appl. Genet. 137:254
DOI:

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