Research Results 研究成果
ポイント
概要
がん (悪性新生物)は人類にとって最も重大な疾患の一つです。近年、生体が元来持つ免疫細胞の機能によってがん細胞を排除する「がん免疫療法」と呼ばれる治療法が様々ながんの治療に用いられています。一方で免疫細胞の機能には朝と夜で差があるため、がん免疫には活性化しやすい時間帯と活性化しにくい時間帯がある、という問題が近年浮上しており、その解決策が求められています。
今回、九州大学大学院薬学研究院の吉田优哉助教、大戸茂弘特命教授、松永直哉教授らの研究グループは新たに、痛みを伴わないレベルの微弱な电気刺激を免疫细胞の一种であるマクロファージに与えることで、マクロファージによるがん免疫を活性化出来ることを明らかにしました。マクロファージはがん细胞を自身の中に取り込むことで、がん细胞を减らし、さらに周りの免疫细胞を活性化する机能を有しています。微弱电気刺激はマクロファージの「时计遗伝子」と呼ばれる分子の量を変化させることでこれらの机能を上昇させ、マクロファージによるがん免疫が低い时间帯を无くすことが可能であることを、マウスとヒトの细胞を用いて突き止めました。さらに、乳がん、肝臓がん、卵巣がんを移植したマウスに微弱电気刺激を与えると、がんの増殖や転移が抑制され、生存日数が长くなることも明らかにしました。この微弱电気刺激自体は既に、主にスポーツ选手の疼痛缓和や创伤治癒に使用されているものであるため、より安全かつ効果的ながん治疗の一つとして応用されることが期待されます。
本研究成果は、2024年11月21日 (木)に国際科学雑誌「Theranostics」にオンライン掲載されました。
本研究で明らかになった机构:微弱な电気刺激によってマクロファージの机能を活性化出来ることと、その机构を解明しました。
研究者からひとこと
私たちは九大発ベンチャー 株式会社chicktekを立ち上げ、微弱電気刺激を用いた新たな機器やその使用法の開発を進めています。そして、これらをがん治療のみならず、健康増進、畜産業などの様々な分野に応用することを目指しています。
论文情报
掲载誌:罢丑别谤补苍辞蝉迟颈肠蝉
タイトル:Targeting macrophage circadian rhythms with microcurrent stimulation to activate cancer immunity through phagocytic defense
著者名:Yuya Yoshida#*, Tomohito Tanihara#, Keika Hamasaki#, Fumiaki Tsurusaki#, Taiki Fukuda, Satoka Adachi, Yuma Terada, Kaita Otsuki, Naoki Nishikawa, Kohei Fukuoka, Ryotaro Tsukamoto, Kengo Hamamura, Kosuke Oyama, Akito Tsuruta, Kouta Mayanagi, Satoru Koyanagi, Shigehiro Ohdo*, Naoya Matsunaga*
# These authors contributed equally to this work.
* Corresponding authors
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