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Research Results 研究成果

细胞膜リン脂质の分布を制御する新しいメカニズムを発见

-膜の変形を感知する脂质输送分子の変异による神経疾患の治疗へ道-
生体防御医学研究所
和泉 自泰 准教授
2024.10.30
研究成果Life & Health

ポイント

  • 细胞膜の変形を感知し、细胞膜脂质の非対称分布を制御する脂质输送分子罢惭贰惭63叠を発见
  • 罢惭贰惭63叠の构造解析により、膜の変形感知メカニズムと膜脂质输送メカニズムを解明
  • 罢惭贰惭63叠の病原性変异が神経疾患を引き起こす仕组みを解明

概要

 東京科学大学(Science Tokyo)*難治疾患研究所の宮田佑吾助教と瀬川勝盛教授らの研究チームは、横浜市立大学の高橋捷也大学院生、李勇燦助教、西澤知宏教授、京都大学の野村紀通准教授、岩田想教授ら、九州大学の和泉自泰准教授、高橋政友助教、秦康祐特任助教、馬場健史教授、大阪大学の長田重一特任教授のチームとの共同研究で細胞膜(用語1)リン脂質の非対称分布を制御する新しいメカニズムを発見しました。
 哺乳动物细胞の细胞膜はリン脂质二重层で构成され、その脂质は二层间で非対称に分布しています。この研究は、细胞に最も多く存在するリン脂质であるホスファチジルコリン(用语2)やスフィンゴミエリン(用语3)の非対称分布に関する谜を解明する重要な一歩となります。研究グループはゲノムワイドスクリーニングの手法を用いて、罢惭贰惭63叠というタンパク质が细胞膜の构造変化に応答し、膜脂质を双方向に移动させる新しいタイプのスクランブラーゼ(用语4)として机能することを発见しました。また、横浜市立大学の西泽教授らにより罢惭贰惭63叠の“闭じた构造”と“开いた构造”を决定することに成功し、膜构造の感知机构と脂质输送机构を解明しました。さらに、罢惭贰惭63叠を欠损した细胞では细胞膜のホスファチジルコリンやスフィンゴミエリンの量が顕着に変化することも确认しました。これまでに神経変性を伴うてんかん性脳症の患者に罢惭贰惭63叠の点変异が同定されていますが、今回の研究により病原性点変异をもつ罢惭贰惭63叠が膜の构造変化とは无関係に常に活性化しており、细胞膜リン脂质の非対称分布を崩壊させていることが明らかになりました。
 本研究は、细胞膜リン脂质の非対称分布の分子机构だけでなく、细胞がどのように膜の変形に応答するのかという根干的な问题にも重要な知见を与えます。今后、このタンパク质を详细に解析することで、细胞膜脂质の非対称分布の分子机构、膜の変形に対する応答机构、さらには関连する神経疾患の病态解明や治疗法の开発に寄与することが期待されます。

 本成果は、10月18日付(英国夏時間)の「Nature Structural & Molecular Biology」誌に掲載されました。

図1 膜構造応答性スクランブラーゼ: TMEM63B

用语説明

(用语1)细胞膜:细胞を外部环境から守る薄い膜。主にリン脂质二重层で构成される。细胞に必要な物质を出入りさせ、细胞内や外部への情报伝达にも重要。

(用语2)ホスファチジルコリン(笔颁):细胞を构成する主要なリン脂质。リン脂质の中で最も量が豊富であり、生体膜の形成に必须の分子。

(用语3)スフィンゴミエリン(厂惭):スフィンゴ脂质の一种で、细胞膜の外层に豊富に存在する。细胞膜の物性やバリア机能に重要な役割を担う。

(用语4)スクランブラーゼ:细胞膜のリン脂质を双方向にランダムに输送する膜タンパク质。

论文情报

掲載誌:Nature Structural & Molecular Biology
論文タイトル:Membrane structure-responsive lipid scrambling by TMEM63B to control plasma membrane lipid distribution
著者:Yugo Miyata, Katsuya Takahashi, Yongchan Lee, Cheryl. S. Sultan, Risa Kuribayashi, Masatomo Takahashi, Kosuke Hata, Takeshi Bamba, Yoshihiro Izumi, Kehong Liu, Tomoko Uemura, Norimichi Nomura, So Iwata, Shigekazu Nagata, Tomohiro Nishizawa, Katsumori Segawa
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