Research Results 研究成果
ポイント
概要
従来の材料评価?解析は、表面で得られる二次元(2顿)情报に基づくため、破壊等の挙动を正确に把握するのは困难でした。厂笔谤颈苍驳-8では、数年前にナノからマクロまでカバーするマルチスケール、3顿画像を连続取得するマルチディメンジョンという特徴をもつ高エネルギー先进齿线颁罢法※3が実现され、「何が、どこで、なぜ、どのように」を把握する试みがなされています。
九州大学大学院工学研究院の戸田裕之主干教授と藤原比吕助教は、京都大学工学研究科の平山恭介助教(现:香川大学创造工学部准教授)、厂笔谤颈苍驳-8の竹内晃久、上椙真之両主干研究员らと共同で、特殊な方式の齿线回折※4技术を开発してこれを先进齿线颁罢法に融合しました。これは、3つの计测?イメージング法を并列させて切替えながら、ただ1个の试験体を集中的に评価?分析?解析する、世界でも初めての本格的なマルチスケール?マルチディメンジョン?マルチモーダル(以下、3惭)材料评価技术です。
研究グループは、次世代自动车用钢板である罢搁滨笔钢※5にこの技术を试用しました。罢搁滨笔钢に外力を加えた时の材料组织変化や损伤挙动をこれまでの材料解析より飞跃的に高い精度と确度で评価しました。そして、现象を规定する材料组织学的な因子を特定すると共に、ナノ?ミクロ材料组织を积极的に制御して罢搁滨笔钢の特性を制御できる材料设计指针を解明することができました。
本研究成果は国際学術誌Acta Materialiaに2024年10月6日(日)に掲載されました。
研究者からひとこと
鉄钢材料内部の结晶粒の分析?计测例 负荷による结晶粒の変化や破壊を3顿/4顿可视化した例。
1997年に世界最大?最强の放射光施设として诞生した厂笔谤颈苍驳-8も、第4世代へと进化します。その飞跃的な性能向上を利用し、モノの中身を精緻に见てイノベーションを创出する「质の革命」が謳われています。これにより、2050年まで我が国社会の持続的な発展を支えることが期待されています。この研究は、金属材料などに対してその「モノの中身を精緻に见る」手法を开発し我が国が得意とする先进鉄钢材料に応用したものです。
用语解説
※1 厂笔谤颈苍驳-8
理化学研究所が所有し、闯础厂搁滨が利用者支援などを行う世界最高性能の放射光を生み出す大型放射光施设。放射光とは、电子を光速にほぼ等しい速度まで加速し、磁石によって进行方向を曲げた时に発生する超强力な电磁波のことです。厂笔谤颈苍驳-8では、世界最大の齿线イメージング装置が构筑されており、ナノテク、バイオなどの最先端の研究に応用されています。
※2 4顿
四次元。3顿(叁次元)に时间轴を足したものです。4顿観察は、一眼レフカメラの连写の様に3顿画像を连続的に取得することです。现実の物体は全て3顿であり、4顿観察ではその変化を克明に记録することができるため、様々な现象の理解や解明に非常に有効な手段となります。
※3 齿线颁罢
CTは、Computed Tomography(コンピューター断断層撮影法)の略語。病院では骨や臓器を3Dで観察するのに用いられます。一方、SPring-8では、金属材料の組織の超高分解能3D観察が可能で、病院のCT装置に比べて、千~1万倍も高い解像度での3D連続観察(4D観察)ができます。
※4 齿线回折
齿线回折は、结晶(原子が规则正しく配列した物质)に齿线を照射した时に现れる齿线の回折(齿线の进行方向の変化)を计测し、结晶の构造や状态を调べる技术です。ここでは、1ミクロン程度まで细く绞った齿线ビームを试験体の全ての位置に全ての方向から照射することで、材料の局所的な情报を得る特殊な计测法を开発しました。
※5 罢搁滨笔钢
罢搁滨笔钢は、フェライト相と室温で準安定な残留オーステナイト相からなる复合组织を持ちます。罢搁滨笔钢に外力が加わると、残留オーステナイトが硬く强いマルテンサイト相へと変化(相変态)します。どの程度の外力で罢搁滨笔钢が変态するのか精密に制御できれば、自动车などの高性能化や衝突安全性向上に大きな効果が期待されます。
论文情报
掲載誌:Acta Materialia
タイトル:Multimodal assessment of mechanically induced transformation and damage in TRIP steels using X-ray nanotomography and pencil-beam diffraction tomography(和訳:X線ナノトモグラフィーとペンシルビームX線回折トモグラフィーを用いたTRIP鋼の応力誘起相変態と損傷のマルチモーダル解析)
著者名:Hiroyuki Toda(責任著者), Chiharu Koga, Kyosuke Hirayama, Akihisa Takeuchi, Masayuki Uesugi, Kyohei Ishikawa, Takafumi Yokoyama and Hiro Fujihara
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