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Research Results 研究成果

上皮细胞シートに生じた欠损を速やかに修復する仕组みの解明

アトピー性皮肤炎や炎症性肠疾患など上皮バリアの异常による病态の理解に繋がる知见
医学研究院
池ノ内 顺一 教授
2024.09.24
研究成果Life & Health

ポイント

  • 体の表面を构成する上皮细胞シートのバリアが破绽すると炎症性疾患の原因になります。
  • 上皮细胞シートの中でダメージを受けた细胞を、周りの细胞が迅速に排除することで、上皮细胞のバリアを安定に维持する仕组みを明らかにしました。
  • 上皮细胞シートのバリア机能が低下することで起こるアトピー性皮肤炎や炎症性肠疾患などの病态解明や予防法の开発に役立つ知见です。

概要

 私たちの体は上皮细胞のシートによって、外界からの异物の侵入を防いでいます。体の表面に位置する上皮细胞は、常に様々なストレスに曝されており、ダメージを受けた细胞はアポトーシス(细胞死)(※1)を起こします。アポトーシスを起こした细胞が、上皮细胞シート内に残り続けると、细胞シートの欠损部位となり、そこから异物の侵入が起こり、感染や炎症の原因になります。このため、アポトーシスを起こした细胞は、周囲の细胞によって迅速に细胞シートから排除する必要がありますが、どのように周囲の细胞がアポトーシスを起こした细胞を排除するかは详しく明らかになっていませんでした。
 今回の研究では、アポトーシス细胞に隣接した细胞では、アポトーシス细胞と接着した领域でカルシウムイオンが持続的に上昇する现象(颁补搁贰と命名)を见出し、この现象がアポトーシス细胞の効率的な排除に不可欠であることを明らかにしました。
 九州大学大学院医学研究院の池ノ内顺一教授、システム生命学府一贯制博士课程5年の长佑磨は、上皮细胞同士の机械的な连结にのみ関わっていると考えられてきたデスモゾーム(※2)と呼ばれる细胞接着装置に、细胞内カルシウムイオン动态の制御に関わる、小胞体滨笔3受容体が集积していることを见出しました。また、アポトーシス细胞と隣接细胞の接着面において、デスモゾームを介したカルシウムイオンの持続的上昇(颁补搁贰)とそれによる接着面の収缩がアポトーシス细胞の排除に必须であることを见出しました。
 本研究によって得られた知见は、アトピー性皮肤炎や炎症性肠疾患などの上皮バリアの破绽による病态の解明や慢性炎症の新たな予防法や治疗法の开発に资する知见です。
 本研究成果は、英国の科学雑誌「Current Biology」に2024年9月23日(日本時間)に掲載されました。

研究者からひとこと

 皮肤を引っ张っても千切れないように、上皮细胞はデスモゾームなどの细胞接着装置を介して机械的に结合し、シートを形成しています。デスモゾームは细胞同士を强固に糊づけする役割のみが想定されていましたが、予想外なことに细胞内のカルシウムイオンを介してアポトーシス细胞の排除に関わることが明らかになりました。

用语解説

(※1) アポトーシス
紫外线による顿狈础损伤などで不可逆的なダメージを受けた细胞は、个体の健全さを保つために、能动的に细胞死を引き起こします。この细胞死の形式をアポトーシスと呼びます。

 (※2) デスモゾーム
细胞同士が接着してシートを形成する上皮细胞には、机能や形态が异なる复数の细胞接着装置が存在します。デスモゾームは、皮肤や心筋など、机械的な负荷を受ける细胞で多く见られる细胞接着构造です。

论文情报

掲載誌:Current Biology
タイトル:A sustained calcium response mediated by IP3 receptor anchoring to the desmosome is essential for apoptotic cell elimination
著者名:Yuma Cho, Ikuko Koyama-Honda, Akihiko Tanimura, Kenji Matsuzawa and Junichi Ikenouchi
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