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Research Results 研究成果

タンパク质が吸着しない微小デバイスで生体ナノマシンの动きを操る

ダブルポリマー処理したマイクロ流体デバイスが微小管の动きを高効率に制御
芸术工学研究院
井上 大介 助教
2024.09.06
研究成果Physics & ChemistryMaterialsTechnology

ポイント

  • 光で固まるレジン「狈翱础」を使って、简便な方法でマイクロ流体デバイスを作成
  • 2种类のポリマーでデバイス表面を処理、狈翱础表面へのタンパク质吸着を抑制する技术を开発
  • このデバイスを用いて、生体ナノマシンの动きを高効率に制御することに成功

概要

 九州大学大学院芸术工学研究院の井上大介助教は、簡便な手法でマイクロ流体デバイスを作成し、その材料表面の改質を行うことで、効果的にタンパク質製ナノマシンの運動を制御することに成功しました。
 繊维状タンパク质の微小管1は、キネシンというモータータンパク质によって动く生体材料です。微小管は直径が髪の毛の约4000分の1という极小サイズでありながら、强力な力を生み出すため、生体ナノマシンとしてナノテクノロジーの分野で非常に注目されています。この特性を利用して、微小物质の输送や感知、分离など、人间が製造する机械では実现できない机能を提供することが可能です。しかし、微小管はランダムな方向に动いてしまうため、これを技术応用するにはその动きを制御する必要があります。
 これまで、微小管の动きを制御するためにマイクロ流体デバイスが使われてきましたが、その作成には高度な装置や技术が必要でした。今回の研究では、紫外线で固まるレジン(狈翱础)を用いることで、简単にマイクロ流体デバイスを作成できる方法が开発されました。しかし、狈翱础製のマイクロ流体デバイスの表面には、微小管を动かすキネシンが非特异的に吸着してしまい、微小管が流路壁を登ってしまうため、その动きが流路形状により制御できない问题がありました。
 そこで、狈翱础の表面を2种类のポリマーで不活化処理し、キネシンの吸着を防ぐ手法が导入されました。狈翱础表面の不活化処理により、微小管はデバイスの壁を登らず、流路に沿った动きをほぼ完全に制御できることが明らかになりました。この技术により、微小管を利用したナノテクノロジーの応用范囲がさらに広がると期待されます。また、今后はこの技术を使って、他の细胞や材料を制御する新たなデバイスの开発も视野に入れています。
 本研究成果は、2024年9月4日(現地時間)にアメリカ化学会発行 Nano Letters 誌に掲載されました。

用语解説

1. 微小管: 微小管は構成材料であるαβ-チューブリンというタンパク質が連なってできる直径25 ナノメートル、長さ約数十マイクロメートルの中空状の生体繊維。細胞内の物質輸送のレールとしてだけでなく、細胞の形態維持や染色体分離、繊毛運動など、細胞内で様々な役割を果たしている。

论文情报

掲載誌:Nano Letters
タイトル:Surface Passivation of Norland Optical Adhesive Improves the Guiding Efficiency of Gliding Microtubules in Microfluidic Devices
著者名:Daisuke Inoue
DOI:

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