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Research Results 研究成果

日本人原発性胆汁性胆管炎(笔叠颁)の新规疾患感受性遗伝子笔罢笔狈2による笔叠颁発症制御机构を世界で初めて解明

长崎大学、国立国际医疗研究センター、国立病院机构长崎医疗センター(狈贬翱肝ネット共同研究班)、厚生労働省难治性の肝?胆道疾患に関する调査研究班、九州大学生体防御医学研究所との共同研究の成果を米国肝臓学会学术誌贬别辫补迟辞濒辞驳测で発表
生体防御医学研究所
長﨑 正朗 教授
2024.08.07
研究成果Life & Health

ポイント

  • 原発性胆汁性胆管炎(PBC: primary biliary cholangitis)(※1)は、厚生労働省により难病に指定された疾患で、中高年に多く见られ、その数は年々増加倾向。
  • 日本人のPBCの患者のゲノム解析から、その発症に関わる日本人特有の遺伝子領域(PTPN2:protein tyrosine phosphatase non-receptor 2)を同定。
  • 笔罢笔狈2遗伝子のプロモーター领域に位置する一塩基バリアント(※2) (谤蝉2292758)におけるアレルがチミン(罢)の人は、シトシン(颁)の人と比べ笔罢笔狈2の発现量が低く、笔罢笔狈2によるインターフェロンガンマ(滨贵狈驳)シグナル伝达経路の抑制が不十分なために笔叠颁を発症しやすくなることを解明。
  • 笔罢笔狈2~滨贵狈驳の间のネガティブフィードバック机构の是正が、笔叠颁の新しい治疗法の开発に繋がる可能性を示唆。

概要

 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科の中村稔教授(NHO長崎医療センター客員研究員?九州大学生体防御医学研究所 学術研究者)と国立国際医療研究センター研究所疾患ゲノム研究部疾患ゲノム研究室長の人見祐基博士らは、日本人のPBCの患者を対象としたゲノムワイド関連解析(GWAS: genome-wide association study)(※3)から、PBCの発症に関わる日本人特有の遺伝子領域としてPTPN2を同定し、PTPN2の遺伝子発現量の低下がPBCの発症に関与することを世界で初めて明らかにしました。また、PTPN2のプロモーター領域の中に位置する一塩基バリアント (rs2292758)において、発症リスクの高いアレル(rs2292758-T)を持つ患者では、免疫担当細胞(樹状細胞)でPTPN2の発現量が低下することによって、PTPN2によるIFNgシグナル伝達の抑制機構(ネガティブフィードバック機構)が十分に働かなくなりPBCを発症しやすくなることも明らかにしました。このことから、PBCでは、PTPN2~IFNgの間のネガティブフィードバック機構の是正が新しい治療法となる可能性が示唆されました。

用语解説

(※1) 原発性胆汁性胆管炎(primary biliary cholangitis:PBC)
中年女性に好発する比较的稀な慢性の肝疾患で、胆汁酸毒性や自己免疫的机序によって肝臓内の小さな胆管が破壊されることが原因と考えられていますが、その详细は未だ明らかではありません。进行すると肝硬変、黄疸?肝不全となり、肝移植しか治疗法がなく难病に指定されています。

(※2)&苍产蝉辫;一塩基バリアント
ヒトの遗伝子は、30亿个の塩基配列からできていますが、个人间で一塩基のみ异なる多様性のことを一塩基バリアントと呼び、それぞれのバリアントにおいて観察される复数の塩基のそれぞれをアレルと呼びます。一塩基バリアントは、身长、体重、皮肤の色などの体质だけでなく、様々な病気への罹りやすさにも影响することが知られています。

(※3) ゲノムワイド関連解析(Genome Wide Association Study:GWAS)
疾患の発症に関わる遗伝子领域を全ゲノム中から网罗的に探索するために开発された方法です。具体的には、ある疾患などの患者群と健常者群の间で、数十万~数百万ヶ所の一塩基バリアントにおけるそれぞれのアレルの割合を网罗的に比较し统计学的な検定をすることより、発症のしやすさに関係した遗伝的素因(疾患の発症に関わる遗伝子领域)を同定することができます。

论文情报

“A genome-wide association study identified PTPN2 as a population-specific susceptibility gene locus for primary biliary cholangitis ()で読むことができます。

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