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Research Results 研究成果

2つの教师なし机械学习の连携によるアニオン交换膜の材料マップの作成

研究者による新规材料の设计を効率化し、広范囲な材料の开発加速へ贡献
工学研究院
加藤 幸一郎 准教授
2024.08.02
研究成果Math & DataPhysics & ChemistryMaterialsEnvironment & Sustainability

ポイント

  • 機能性高分子 (何らかの特別な機能を有する高分子材料) に対してデータ科学手法を取り入れた研究が増えつつあるが、物性予測精度の向上に注力したブラックボックスのモデルが多く、研究者による分子設計をサポートするようなモデル開発はほとんど行われていない。
  • 本研究では、机能性高分子の中でも燃料电池や水电解装置(※1)などの中核部材であるアニオン交换膜(※2)を対象に、既报の化学构造情报を収録した独自データベースを构筑し、教师なし机械学习(※3)手法である主成分分析(笔颁础)(※4)とUniform Manifold Approximation and Projection(UMAP)(※5)を连携することで世界初のアニオン交换膜材料マップの作成に成功した。
  • アニオン交换膜材料マップを用いることで构造?性能を客観的に把握することができ、研究者の知识?経験に材料マップを组み合わせることで思考を深め、新规材料の効率的な设计が期待される。さらに、マップ作成手法は他材料への応用も可能であるため、様々な材料の研究开発加速に贡献することが期待される。

概要

 近年のデータ科学の発展にともない、化学?材料分野でもデータ科学を融合する研究が活発に行われています。エネルギー、环境、バイオ等の多方面で社会を支える基干材料群である机能性高分子分野への适用も研究されはじめていますが、构筑された机械学习モデルの多くはブラックボックス化しており、机械学习単独での利用が想定されているため、研究者の知识?経験をサポートして新材料设计を効率化する様なモデル开発は行われていませんでした。
 九州大学大学院工学研究院の加藤幸一郎准教授、藤ヶ谷剛彦教授および同大学工学府博士課程2年のPhua Yin Kan氏らの研究グループは、燃料電池や水電解装置の中核部品を担うアニオン交換膜材料を対象に、2つの教師なし機械学習モデルを連携させることで化学構造情報に基づく材料マップを作成しました。さらに、マップ上の各材料データ点をアニオン伝導度(アニオン交換膜の重要物性)の値に応じて色付けることで、多様なアニオン交換膜のアニオン伝導度と化学構造の特徴?関係性を明らかにし、材料マップを用いた材料設計の効率化を提案しました。
 研究者は自身の知识?経験に加えて今回作成した材料マップを参照することで、化学构造と物性の関係性を俯瞰しながら自身の思考を深め、効率的に高性能な材料の设计?开発に取り掛かることができます。また、マップ作成手法は汎用性があり、様々な材料の开発を加速させる波及効果が期待できます。
 本成果は、2024年07月15日に奥颈濒别测-痴颁贬が発行する国际学术誌「颁丑别尘贰濒别肠迟谤辞颁丑别尘」にオンライン掲载されました。

用语解説

(※1) 水電解装置
电気エネルギーにより水を水素と酸素に分离する装置。

 (※2) アニオン交換膜
イオンを选択透过させるイオン交换膜の1种であり、阳イオンを交换するものを「カチオン交换膜」、阴イオンを交换するものを「アニオン交换膜」と呼ぶ。

 (※3) 教師なし機械学習
学习データに対して正解ラベルを与えない状态で学习できるモデルである。データセットの特徴的な情报を抽出することに长けている。

 (※4) 主成分分析(PCA)
教师なし机械学习の一种。高次元データセットを线形的に集约して新たな変量である主成分を作成する手法である。

 (※5) Uniform Manifold Approximation and Projection(UMAP)
教师なし机械学习の一种。高次元データセットを非线形的に集约して新たな変量である「埋め込み表现」を作成する手法である。

论文情报

掲载誌:颁丑别尘贰濒别肠迟谤辞颁丑别尘
タイトル:Unsupervised Machine Learning-Derived Anion-Exchange Membrane Polymers Map: a Guideline for Polymers Exploration and Design
著者名:Phua, Yin Kan; Terasoba, Nana; Tanaka, Manabu; Fujigaya, Tsuyohiko; Kato, Koichiro
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