Research Results 研究成果
ポイント
概要
记忆に重要な脳の海马には、成体(おとな)になっても神経(ニューロン)を作り続ける干细胞があります。この神経干细胞は増殖しながら、その一部が新しいニューロンとなります。成体の脳の海马で新しいニューロンが生涯をとおして作られ続けることを「成体ニューロン新生」といい、これは加齢とともに衰える脳の机能を维持するためにとても重要です。一方、认知障害やてんかん発作には、ニューロンの中の细胞小器官の一つ小胞体(注1)が関与することが示されていましたが、そのメカニズムは不明でした。そこで、脳内で小胞体の机能に重要なタンパク质顿别谤濒颈苍-1(注2)を欠损したマウスモデルを作製し、解析しました。本研究では、顿别谤濒颈苍-1が成体ニューロン新生を时空间的に制御していること、顿别谤濒颈苍-1の机能が低下すると、认知障害やてんかん発作に繋がることを世界で初めて発见しました。さらに、ヒストン脱アセチル化酵素の働きを抑制する化合物によって病态を改善させることにも成功しました。
これらの成果は、認知症やてんかん患者の病態を改善する創薬に繋がることが期待されます。本研究結果は、宮崎大学の村尾直哉助教、西頭英起教授、九州大学の中島欽一教授らによるもので、7月30日付けで、欧州分子生物学機構(EMBO)が発行する学術誌雑誌『EMBO reports』(エンボリポーツ)電子版に掲載されました。
用语解説
(注1)小胞体
膜タンパク质や分泌タンパク质などを合成する细胞内の小器官(オルガネラ)の一つ。
(注2)顿别谤濒颈苍-1
小胞体膜上に存在し、小胞体の品质管理に必须のタンパク质。
论文情报
雑誌名:「EMBO reports」
論文タイトル:The Derlin-1-Stat5b axis maintains homeostasis of adult hippocampal neurogenesis
著者: Naoya Murao, Taito Matsuda, Hisae Kadowaki, Yosuke Matsushita, Kousuke Tanimoto, Toyomasa Katagiri, *Kinichi Nakashima, *Hideki Nishitoh( *:co-corresponding authors)
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