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Research Results 研究成果

\従来より1桁以上高速!/ レアメタルフリーな高速?高効率りん光を実現

有机分子の高速りん光メカニズムを解明
理学研究院
宫田 洁志 准教授
2024.07.10
研究成果Physics & Chemistry

ポイント

  • レアメタル(※1)を使わない、有机分子のりん光(※2)の高速化?高効率化に成功。そのメカニズムを解明
  • 开発した有机分子のりん光効率は世界记録を2倍以上上回り、りん光速度(※3)は従来の1桁以上という好成绩を収めた
  • 従来のレアメタル材料を凌驾?代替しうる有机発光材料の开発に期待

概要

 大阪大学大学院理学研究科の谷洋介助教らの研究グループは、九州大学大学院理学研究院の宫田洁志准教授らのグループと共同で、有机分子のりん光効率の世界记録を大きく更新し、その键である高速りん光のメカニズムを解明しました(図1)。
 りん光は、高エネルギー状态の分子が电子スピン(自転のようなもの)の向きを変えながら発光する现象で、有机贰尝※4やがんの诊断に有用です。
 これまで高効率なりん光を得るには、イリジウムや白金などのレアメタルを使うことが重要と考えられていました。しかし、レアメタルは安定供给に课题があり、また、レアメタルを使わずに有机分子で高効率なりん光を実现するメカニズムについては解明されていませんでした。
 今回、研究グループは、独自に开発した有机分子「チエニルジケトン」が高効率なりん光を示すことを明らかにしました。その分子のりん光が従来の有机りん光材料より1桁以上も高速であることを见出し、さらに、有机分子で高速りん光が得られたメカニズムを解明しました。これによりレアメタルに頼らずにりん光を示す有机分子の设计指针が得られ、レアメタル材料を凌驾?代替する有机りん光材料の开発が期待されます。
 本研究成果は、英国王立化学会の「Chemical Science」に、2024年7月4日(木)18時(日本時間)に公開されました。また、当該号のInside Back Coverにて本研究がハイライトされました。

用语解説

(※1)レアメタル
イリジウムや白金などの一部の金属は、电子机器などの重要资源である一方、产出量が少なく、特定の国に偏在しているため、レアメタルと呼ばれる。安定供给が课题で、リサイクルや代替材料の开発が求められている。

(※2)りん光
発光の一种。高エネルギー状态の分子が、电子スピン(自転のようなもの)の向きを変えながら発する光をりん光と呼ぶ。りん光を示す有机分子はごく限られているが、発光が长く続く?酸素センサーとしてはたらく?有机贰尝の理论効率が高いなど、优れた特徴をもつ。

(※3)りん光速度
りん光の生じやすさの指标であり、光の速度(一秒间に进む距离)とは异なる概念。厳密には「速度定数」であり、りん光の速度自体は、りん光を生じる高エネルギー状态の分子の量にも依存する。

论文情报

タイトル:
著者名:Yosuke Tani, Kiyoshi Miyata, Erika Ou, Yuya Oshima, Mao Komura, Morihisa Terasaki, Shuji Kimura, Takumi Ehara, Koki Kubo, Ken Onda, and Takuji Ogawa
DOI:丑迟迟辫蝉://诲辞颈.辞谤驳/10.1039/顿4厂颁02841顿

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