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Research Results 研究成果

过去の位置の知覚は后から决定される

古典的な错覚が明らかにする视覚的「现実」の作られ方
芸术工学研究院
伊藤 裕之 主干教授
2024.06.04
研究成果Humanities & Social Sciences

ポイント

  • 目に映るものと実际に知覚されるものはしばしば异なり、そこには脳の働きが反映されています。
  • 极めて短期间に3つの光を次々に提示すると、それらの位置を様々に変えても顺に并んで知覚される倾向があります。3番目の光が提示された后に、2番目の光の位置を知覚的に决定していると考えられます。
  • 本研究を応用することにより、日常生活で见误りが起こる原因、目撃証言の信ぴょう性、网膜の病変の自覚が难しい理由など、様々な方面の研究の进展に贡献することが期待されます。

概要

 私たちの脳で処理される情报の多くは视覚からもたらされますが、逆に错视のような视覚现象の多くは目ではなく脳で生じます。私たちの脳が见たものをどのように解釈して、知覚される「现実」を作り上げているかについて兴味深い発见がありました。
 九州大学大学院芸術工学府博士後期課程在学中で国費留学生のシェリル?デヘス(Sheryl de Jesus)氏、芸术工学研究院の伊藤裕之主幹教授および兼松圭助教の研究グループは、私たちの脳において、過去の出来事から未来を予測するだけでなく、時間的に後の出来事が前の出来事の解釈に影響を与えるポストディクション(postdiction)が、対象の位置の知覚において強固に機能することを確認しました。この発見は、古典的な知覚現象であるsaltation錯視(Visual Saltation Illusion: VSI)の詳しい調査によって明らかになりました。極めて短い期間内に3つの光を次々に提示すると、光の配置を様々に変えても、被験者は3つの光が順番に並んで提示されたように知覚しました。短期間に多くの出来事を目撃すると、それらをまとめて単純でもっともらしい解釈を作り上げるという人間の知覚の特性を表したものと考えられます。この現象は、現実をありのままに見ることの難しさや目撃証言の信ぴょう性の限界を理解することにつながるものと思われます。
 この论文は、知覚研究の専门ジャーナルである颈-笔别谤肠别辫迟颈辞苍誌にて2024年5月21日(火)(日本时间)オンラインで公开されおり、デヘス氏は若手研究者ベスト论文赏を受赏しました。

研究者からひとこと

 この研究が、视覚科学や知覚心理学を研究している人たちだけでなく、科学や心理学に関心を持つ中学生や高校生の兴味をかき立てることを愿っています。错视を研究することで、なぜひとつの事象にひとりひとり异なる解釈があるのかを理解することができます。视覚や脳のプロセスにおける欠点や限界を知るだけでなく、逆に私たちの视覚は、限られた能力を补うためにとても効率化された创造的なシステムであることを示すことができる点に、错视研究の面白さがあります。このプロジェクトにご协力いただき、成功に导いてくれたすべての人々に感谢します。

论文情报

掲载誌:颈-笔别谤肠别辫迟颈辞苍
タイトル:
著者名:Sheryl Anne Manaligod de Jesus, Hiroyuki Ito, Tama Kanematsu
顿翱滨:丑迟迟辫蝉://诲辞颈.辞谤驳/10.1177/20416695241254016

研究に関するお问合せ先

英語対応: 九州大学大学院芸術工学府 博士課程 Sheryl de Jesus (シェリル デヘス)
日本语対応: 九州大学大学院芸术工学研究院  主干教授