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Research Results 研究成果

糖飢饿でリソソーム机能が低下するメカニズムを発见

リソソーム関连疾患の病态把握への期待
医学研究院
内海 健 教授
2024.05.09
研究成果Life & Health

ポイント

  •  リソソーム(※1)はオートファジー(※2)の中心器官であり、飢餓状態に対応しています。 リソソームの機能不全は様々な疾患の原因となっています。
  • &苍产蝉辫;本研究ではリソソーム机能が糖飢饿を含む栄养飢饿でどのように働き、机能を维持しているのかについて调べ明らかにしました。
  •  リソソーム表面に存在している解糖系酵素(※3)がリソソーム機能を維持しているため、糖飢餓ではリソソーム機能低下が引き起こされます。 一方、アミノ酸飢餓など他の飢餓ではリソソーム機能低下が起こりませんでした。

概要

 リソソームはオートファジーの中心器官であり、栄养飢饿状态で异化反応を促进し、エネルギーを产生します。
 本研究では、リソソームが糖飢饿を含む飢饿状态で机能がどのように変化するか、また机能维持のメカニズムを调べ解明しました。
 九州大学大学院医学研究院保健学部門検査技術科学分野の内海健 教授 (責任著者)、八木美佳子 助教、同院臨床検査医学分野の國崎祐哉 教授、康東天 名誉教授、同院脳神経外科の吉本幸司 教授、学術研究員の三木健嗣 (筆頭著者)らの研究チームは、糖飢餓状態ではリソソーム機能は実は低下すること、その機序としてリソソームの膜上には解糖系酵素が存在しており、それらの酵素がリソソーム機能を維持しているため、糖飢餓ではリソソーム機能が維持できず機能障害を起こすことを明らかにしました。さらに、そのメカニズムを調べるため経時的変化も解析しリソソーム機能が低下した後に鉄のトランスポーターの機能が低下することでリソソームに鉄が蓄積し、鉄による細胞死(フェロトーシス)(※4)を起こすことを発見しました。一方、アミノ酸飢餓ではリソソーム機能低下は起きず、リソソーム機能維持において糖が必要であることを証明しました。
 今回の研究はリソソームの膜上にどのような蛋白がいるか明らかにしており、あらゆる飢饿状态とリソソーム机能の関连についても调べた研究になります。その中でリソソーム机能维持には糖が重要であることがわかりました。リソソーム机能低下はリソソーム病など様々な病态と関连しており、今后様々な疾患におけるリソソームの糖环境について検讨することで、リソソーム関连疾患の治疗介入に繋がる可能性が示唆されます。それ故、当研究は今后リソソーム病の治疗法开発へ大きく贡献するものと考えられます。
 本研究成果は国际学术誌「颈厂肠颈别苍肠别」に2024年4月29日(月)(日本时间)に掲载されました。

用语解説

(※1) リソソーム
细胞内で様々な物质を分解する细胞内小器官である。

(※2) オートファジー
飢饿などに対応して自己成分を分解しエネルギーを产生します。

(※3) 解糖系酵素
グルコースを分解し, グルコースに含まれるエネルギーを産生する代謝経路を解糖系と言います。
その経路に関わる酵素を解糖系酵素と呼びます。

(※4) フェロトーシス
细胞内自由鉄を触媒として过酸化脂质の蓄积により引き起こされる细胞死である。

论文情报

掲载誌:颈厂肠颈别苍肠别
タイトル:Glucose starvation causes ferroptosis-mediated lysosomal dysfunction  
著者名:Kenji Miki, Mikako Yagi, Dongchon Kang, Yuya Kunisaki, Koji Yoshimoto, , Takeshi Uchiumi
顿翱滨:丑迟迟辫蝉://诲辞颈.辞谤驳/10.1016/箩.颈蝉肠颈.2024.109735

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