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Research Results 研究成果

血液凝固因子の正常な分泌に必须なカーゴ受容体の全长构造をクライオ电子顕微镜によって解明

従来の定説を覆す四量体の全长构造と亜铅による制御机构を解明 2024.03.29
研究成果Life & Health

ポイント

  • 血液凝固因子などの分泌に必须であるヒト由来カーゴ受容体贰搁骋滨颁-53とその补助因子惭颁贵顿2との复合体の立体构造をクライオ电子顕微镜単粒子解析(注1)により世界で初めて决定しました。
  • 全长贰搁骋滨颁-53は、従来提唱されていた六量体ではなく、四叶のクローバーに类似した四量体构造を取り、曲がったり伸びたりする柔软な构造変化を通して、カーゴを输送する仕组みが分かりました。
  • 贰搁骋滨颁-53-惭颁贵顿2复合体のヘッド领域の高分解能构造解析から、惭颁贵顿2に亜铅结合部位があることが初めて明らかになり、カーゴ输送における亜铅を介した新たな制御机构が明らかになりました。

概要

 血液凝固因子などの分泌タンパク质は、细胞内の小胞体(注2)において合成された后、积荷(カーゴ)として特异的なカーゴ受容体によって认识され、効率よく细胞外へと分泌されています。カーゴ输送の异常は、血液性疾患などの様々な遗伝性疾患の原因となることが知られています。カーゴ输送 の中心を担うカーゴ受容体として、贰搁骋滨颁-53とその补助因子惭颁贵顿2が约40年前に同定され、贰搁骋滨颁-53の糖锁を认识する领域(ドメイン)を中心に构造机能研究が进められてきました。しかしその全长构造は未决定で、全长において多様なカーゴを认识し输送する仕组みは未解明のままでした。
 东北大学多元物质科学研究所の渡部聡助教、稲叶谦次教授らの研究グループは、クライオ电子顕微镜単粒子解析を用いて、全长贰搁骋滨颁-53と补助因子惭颁贵顿2との复合体の立体构造を世界で初めて决定しました。构造解析の结果、全长构造はヘッド领域、ストーク领域、膜贯通领域で构成されており、四叶のクローバーに类似した全体构造をとることが分かりました。また、贰搁骋滨颁-53の全长构造のダイナミックな构造変化の様子の可视化にも成功し、柔软な构造変化を利用したカーゴ认识机构が明らかになりました。また、贰搁骋滨颁-53-惭颁贵顿2复合体のヘッド领域を高分解能で构造决定し、四量体形成の详细な分子基盘が明らかになっただけではなく、惭颁贵顿2において新たに亜铅结合部位があることが分かり、分泌経路下流におけるカーゴの解离が亜铅によって促进される机构が示唆されました。
 本研究成果は、2024年3月16日に科学雑誌Nature Communicationsに掲載されました。
 本研究成果は東京大学大学院理学系研究科の木瀬孔明特任准教授、濡木理教授、および高エネルギー加速器研究機構(KEK) 物質構造科学研究所の米澤健人研究員(現:奈良先端科学技術大学院大学)、清水伸隆教授らとの共同研究により得られたものです。

図1.ERGIC-53-MCFD2複合体のヘッド領域の高分解能構造 :(a)クライオ電子顕微鏡によって得られた密度マップ。(b)構築したヘッド領域の分子構造モデル。ERGIC-53のストークドメイン内の長いαヘリックスが4本集まり、4ヘリックス-コイルドコイルを形成することで、ERGIC-53が四量体を形成している。

用语解説

(注1)クライオ电子顕微镜単粒子解析
タンパク质の立体构造を高分解能で决定するための手法の一つ。电子线照射による分子の振动や损伤を抑えるために、観测対象のタンパク质を氷薄膜中に包埋し、マイナス180度の低温に保ったまま电子顕微镜像を観测する。个々の分子像は、様々な向きで氷薄膜に包埋された分子の投影像であり、数十万から数百万分子の投影像を分类?平均化し、各粒子の叁次元配向を计算し、统合することで高分解能の叁次元构造(平均构造)を构筑することができる。さらに平均构造を基準として、叁次元の変动性を解析することにより、构筑した电顕构造の动的な构造変化を捉える方法も开発されている。
(注2)小胞体
细胞内小器官の一つであり、分泌タンパク质の合成が行われる。小胞体の中には厳正なタンパク质品质管理机构が备わっており、正しい立体构造を形成したタンパク质は下流のゴルジ体へ选択的に输送される。

论文情报

掲載誌:Nature Communications
タイトル:
著者:Satoshi Watanabe*, Yoshiaki Kise, Kento Yonezawa, Mariko Inoue, Nobutaka Shimizu, Osamu Nureki and Kenji Inaba*
*責任著者:東北大学多元物質科学研究所(生命科学研究科、理学研究科化学専攻 兼担)助教 渡部 聡東北大学多元物質科学研究所(生命科学研究科、理学研究科化学専攻 兼担、九州大学生体防御医学研究所クロスアポイント)教授 稲葉 謙次
顿翱滨:10.1038/蝉41467-024-46747-1

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