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Research Results 研究成果

大気汚染质の取り込みによる黄砂粒子の形态変化过程の実时间観测に成功

2017.03.24
研究成果Physics & ChemistryTechnologyEnvironment & Sustainability

 黄砂と高浓度の人為起源大気汚染が混合すると、両者は非常に复雑な相互作用を生じ重大な大気环境の変化を引き起こすことが知られています。発生时の黄砂粒子は表面が角张った非球形な形状をしていますが、大気汚染质に覆われると球形の形态に変化します。その结果、日射の散乱?吸収効率が変わり大気の放射収支が変调すると共に、云の凝结核として発生时黄砂よりも効率的に働くため云?降水过程にも影响を及ぼし、地球の大気环境に大きなインパクトを与えます。しかし、この大気汚染质との混合による黄砂の形态変化过程を环境大気中での実时间で把握することは、测定の难しさから、これまで出来ていませんでした。
 九州大学応用力学研究所の鵜野伊津志教授、同大気環境統合研究センターのPan Xiaole助教(現中国科学院大気物理研究所教授)、中国科学院大気物理研究所、国立環境研究所、山梨大学らの共同研究グループは、北京に設置した最新の偏光式光学粒子計測器を用い、2015年3月末から4月初旬の中国北京での黄砂イベント時に黄砂粒子の形態変化過程の実時間観測に成功しました。
北京での観测では、黄砂に同期して粗大硝酸塩狈翱3-の増加が顕着でした。これは黄砂粒子の表面に人為起源の窒素酸化物狈翱虫から生成された硝酸ガス贬狈翱3が取り込まれ、主に硝酸カルシウム颁补(狈翱3)2が形成されたためで、硝酸カルシウムの高い潮解性のため粒子が球形化していくことが示唆されています。そして、この黄砂粒子の非球形性の変化(粒子の縦横比の変化)を、光散乱の理论计算から确认することが出来ました。今后は、気温?湿度の异なる気象と大気汚染浓度の条件で観测事例を积み上げ、黄砂の形态変化过程を调べ、より定量的な解析を进めることが可能です。この研究成果はアジアスケールの云?降水过程の変调や気候変化の解析への活用が期待できます。
 本研究成果は、2017年3月23日(木)午前 10 時(英国時間)に英国科学誌 「Nature Scientific Reports」の電子版て?公開されました。

北京への黄砂到达时と2日后の黄砂粒子成分の分析の结果。(左)その时点の北京大気に影响を与える范囲、(右)粒子内の水溶性化学组成。2日后には、粗大成分中の硝酸塩狈翱32-の寄与が大幅に増加している。

(a) 粒子径5?mの粒子中の硝酸塩NO3-とカルシウムCa2+に対する偏光解消度(縦軸)の変化。偏光解消度が小さいほど粒子の非球形性が減少することになる。
(b) 粒子径5?mの粒子中の水分比に対する偏光解消度(縦軸)の変化。硝酸カルシウムCa(NO3)2の高い潮解性のため粒子中の水分比が増加すると粒子表面が覆われ粒子の非球形性が減少することを説明している。

研究者からひとこと

 角张り非球形の黄砂が、大気汚染质と混合することで、どの程度の时间スケールで形态変化するかは、环境大気中では未知でした。今回の観测は、高浓度の黄砂と大気汚染时の北京で行われた结果を国际共同研究として取りまとめたものです。我々の结果は非常の重要な事実を提示しており、今后の発展を期待したいと思います。

  • 本研究についての详细は

论文情报

,Nature Scientific Reports,
10.1038/ s41598-017-00444-w

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