Research Results 研究成果
ポイント
概要
近年の情报化社会の进展に伴い、半导体デバイスには高速化や省电力化が求められていますが、次世代のデバイス材料として期待されているのがグラフェンをはじめとする原子の厚みしかない究极に薄い二次元の原子シート(二次元材料)です。しかし、二次元材料の多くは成长基板からシリコンやフレキシブル基板上に移す「転写」というプロセスが使われますが、この転写の际に二次元材料が破れたり、保护膜の高分子が残って特性低下につながったりすることなどが知られています。また、保护膜の除去には有机溶媒が必要なためフレキシブル基板には使えない、転写に长时间かかる、高度な転写技术が必要といった课题が多くありました。
九州大学グローバルイノベーションセンターの吾郷浩树主干教授、日东电工株式会社、合同会社二次元材料研究所、中央大学の李恒助教?河野行雄教授、九州大学先导物质研究所の吉泽一成教授、九州大学大学院総合理工学研究院の辻雄太准教授、大阪大学产业科学研究所の末永和知教授、产业技术総合研究所の林永昌主任研究员らの研究グループは、狈贰顿翱の支援を受けて、二次元材料に特化した紫外线で粘着力が低下する机能性テープを开発することに成功しました。この方法では、保护膜や有机溶媒を使う必要がなく、エンドユーザーでも简単に転写できる手軽さもあります。また、このテープ転写はグラフェンに限らず、半导体や絶縁体の二次元材料にも使えます。さらに、テープ転写したグラフェンを使って、フレキシブルなテラヘルツのセンサーも実现しました。
本研究は、これまで难しかった二次元材料の大面积での転写?製造プロセスに大きな进歩をもたらすものであり、半导体を含む次世代产业の创出に大きく贡献すると期待されます。
本研究の成果は2024年2月9日(金) 午後7時(日本時間)発行の英国科学誌「Nature Electronics」オンライン版で公開されました。
(左)さまざまな二次元材料のテープ転写のイメージ、(右)単层グラフェンのテープ転写のイメージ写真
研究者からひとこと
グラフェンをはじめとする二次元材料はとても大きな可能性を有していますが、合成后に他の基板に移す「転写」が大きな课题でした。今回の転写テープの実现は、二次元材料の研究开発のスタイルを大きく変え、エレクトロニクスなど新产业の创出を大きく后押しする成果です。
UVテープを用いたグラフェン転写法。本手法により最大4インチ(f100 mm)のグラフェンの転写を実現した。小さなサイズのUVテープの場合、貼り付けや剥離を手作業で行ったが、機械を用いることで大面積の二次元材料の転写が可能となり、今後の大量生産に基づく産業応用につながるものと期待できる。
论文情报
掲載誌:Nature Electronics
タイトル:
著者名:Maki Nakatani, Satoru Fukamachi, Pablo Solís-Fernández, Satoshi Honda, Kenji Kawahara, Yuta Tsuji, Yosuke Sumiya, Mai Kuroki, Kou Li, Qiunan Liu, Yung-Chang Lin, Aika Uchida, Shun Oyama, Hyun Goo Ji, Kenichi Okada, Kazu Suenaga, Yukio Kawano, Kazunari Yoshizawa, Atsushi Yasui, Hiroki Ago
顿翱滨:10.1038/蝉41928-024-01121-3
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