Research Results 研究成果
ポイント
概要
温泉は长い歴史を通じて、健康の増进や病気の治疗に利用されてきました。日本には10种类の疗养泉(泉质)があり、それぞれ効能が异なると伝えられてきました。一方で、それらが健康な人にどのような影响を与えるかについてはほとんど解明されておらず、効果の検証が望まれていました。
本研究では、温泉入浴が肠内细菌丛を変化させ、泉质ごとに异なる肠内细菌を有意に増加させることを初めて明らかにしました。
九州大学大学院工学研究院都市システム学講座の馬奈木俊介主幹教授(兼:九州大学都市研究センター長)と武田美都里特任助教らの研究グループは、別府市と別府市旅館ホテル組合連合会と共同して温泉の効果の検証を行ってきました。今回、九州地方在住の136名の健康な成人を対象に、別府温泉の異なる5泉質の温泉入浴前後における腸内細菌叢の変化を分析しました。その結果、炭酸水素塩泉入浴によりビフィズス菌の一種(Bifidobacterium bifidum)が有意に増加していることが明らかになりました。他にも、単純泉、炭酸水素塩泉、硫黄泉での入浴後には、それぞれ異なる腸内細菌叢の有意な変化が確認されました。本研究結果から、炭酸水素塩泉への入浴がビフィズス菌を増加させ、健康効果につながる可能性を示唆しています。また、泉質ごとに異なる効能として、腸内細菌叢が関連している可能性を示しました。
今回の発见は、温泉入浴による健康増进効果に関する新たな科学的根拠を提供し、将来的に、温泉疗法を用いた公众卫生の向上および地域活性化に贡献することが期待されます。
本研究の成果は、Springer Natureが発行する国際学術誌「Scientific Reports」(2022 Impact Factor: 4.6)に2024年1月28日(日)(現地時間)に掲載されました。
検証を行った温泉の一つ?株式会社みょうばん 湯の里
泉質別腸内細菌の前後比較 入浴前後で有意に変化した腸内細菌の一覧。炭酸水素塩泉のBifidobacterium bifidumの増加が最も大きかった。
用语解説
(※1) 腸内細菌叢
肠内细菌とは、肠内生息している细菌のことで、肠内细菌丛は、肠内细菌群集を指します。
论文情报
掲載誌:Scientific Reports
タイトル:
著者名:Midori Takeda, Jungmi Choi, Toyoki Maeda, Shunsuke Managi
顿翱滨:10.1038/蝉41598-024-52895-7
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