Research Results 研究成果
ポイント
概要
宫崎大学研究?产学地域连携推进机构テニュアトラック推进室の徳本雄史准教授と、九州大学大学院农学研究院の片山歩美准教授の研究チームは、九州山地におけるシカ不嗜好性植物のアセビの繁茂にはシカの食害に伴う森林の更新阻害の问题をさらに深刻化する恐れがあることを明らかにしました。
九州山地では、シカ等によって森林下层の植物が食べられ、一部のエリアでシカが好んで食べないシカ不嗜好性植物(※1)の繁茂が见られています。今回このシカ不嗜好性植物の繁茂による周辺环境と土壌微生物相(土壌内における微生物の集合)の変化を调査したところ、光环境が暗くなり、土壌中の菌相も共生菌类のうち外生菌根菌(※2)の相対的な存在量が低下していたことが分かりました。アセビが繁茂することによって他の树木の定着が阻害されているため、森林の更新阻害の要因になっている可能性があります。以上の结果は、シカ食害による森林の更新阻害の问题がシカ不嗜好性植物の繁茂によって深刻化する恐れがあることを示唆しています。
调査を実施したエリアでのアセビ繁茂の概况。上层木がアカマツ(上段)とカラマツ(下段左)の林分、斜面(下段右)におけるアセビの繁茂の様子。撮影者:徳本雄史
用语解説
(※1)シカ不嗜好性植物:シカが採食しない、または採食频度が低い植物。叶が硬い、トゲがある、植物器官中に有毒な物质を含むといった特徴を持っているためシカは好んで食べない。国内で135种类ほどは不嗜好性植物とされる。
(※2)外生菌根菌:植物の根に感染し、植物が养分を受け取るのを手助けしている共生菌类の一种。菌类は植物が作る光合成产物を受け取ることで生きている。外生菌根菌は主にブナやモミなどの树木と共生関係を构筑することが知られている。
论文情报
掲載誌:PLOS ONE
タイトル:
著者: Yuji Tokumoto1,*, Ayumi Katayama2
所属: 1: 宮崎大学 研究?産学地域連携推進機構テニュアトラック推進室, 2: 九州大学 大学院農学研究院 宮崎演習林 *: 連絡責任者
DOI: 10.1371/journal.pone.0296692
オンライン出版日: 2024年1月11日
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