Research Results 研究成果
ポイント
概要
糖尿病は、転倒や?折や寝たきりに结びつくサルコペニア(※1)のリスク増加と関连しますが、サルコペニアに対する有効な治疗法はありません。最近、糖尿病の治疗薬であるナトリウム-グルコース共输送体2(厂骋尝罢2)阻害薬(※2)が?不全や慢性肾臓病の治疗効果が报告されていますが、糖尿病状态の?格筋にどのような影响を及ぼすのか、特に?格筋机能に与える影响については不明でした。
九州?学?学院医学研究院の?川佳宏主幹教授、宮地康?助教、中村慎太郎?学院?らの研究グループは、肥満?糖尿病マウスにSGLT2 阻害薬カナグリフロジンを投与すると、??距離が約5 倍に伸びることを発?しました。また、同?学?体防御医学研究所の?場健史教授、和泉?泰准教授、?橋政友助教、中?航太助教らとの共同研究により、?格筋のメタボローム解析(※3)を?ったところ、??距離が伸びた個体のヒラメ筋ではAICARP(※4)と呼ばれる代謝物が増加することを?出しました。
更に、AICARP の増加は燃料センサーとして知られるAMPK(※5)の活性化と脂肪酸酸化の亢進により?格筋におけるエネルギー産?を増加して持久?を改善する可能性が?されました(図1)。
今回の研究は、?格筋内におけるAICARP の増加と持久?の回復の関連を?すものです。将来、?格筋の代謝物を標的としたサルコペニア治療法の開発が期待されます。
本研究成果は国際科学誌Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle 誌に2023年11?8?(現地時間)に掲載されました。
図1 SGLT2阻害薬の投与により?格筋でAMPK活性化物質AICARPを同定
研究者からひとこと
左から、?川佳宏主干教授、宫地康?助教、中村慎太郎?学院?
これまでの研究により、サルコペニアの予防には筋?量を増やすことが重要とされています。今回の研究では、筋?量の変化はほとんど认めませんでしたが、持久?が?幅に改善しました。?格筋内のエネルギー产?を促す代谢物である“础滨颁础搁笔”増加のメカニズムの解明は、?格筋の机能低下を改善させ、サルコペニアに対する新たな治疗标的になる可能性があります。
用语解説
(※1) サルコペニア
加齢などにより?格筋量と筋?が低下し、転倒や?折や寝たきり状态に?る危険性が?い状态のこと。
(※2) SGLT2 阻害薬
腎臓の近位尿細管に発現するナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)の働きを抑えることにより、尿糖の排出を促して?糖値を低下させる薬剤。近年の?規模臨床試験の結果により、糖尿病のみならず糖尿病を合併しない?不全や慢性腎臓病に対しても?部のSGLT2 阻害薬が保険適?になっている。
(※3) メタボローム解析
动植物の组织や细胞の代谢物を质量分析计により网罗的に计测して解析する?法のこと。
(※4) AICARP(5-アミノイミダゾール-4-カルボキシアミド-1-β-D-リボフラノシル 5?-?リン酸)ZMP とも呼ばれるプリンヌクレオチド?合成経路の中間体の?つ。AMPK 活性化作?を有する。
(※5) AMPK(AMP 活性化プロテインキナーゼ)
细胞内の燃料センサーとして知られるたんぱく质。细胞内のエネルギーが?乏すると活性化し、糖の取り込みを増やしたり、脂肪酸を酸化したりすることにより、エネルギー产?を?う。
论文情报
掲載誌:Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle
タイトル:
著者名:Shintaro Nakamura, Yasutaka Miyachi, Akihito Shinjo, Hisashi Yokomizo, Masatomo Takahashi, Kohta Nakatani, Yoshihiro Izumi, Hiroko Otsuka, Naoichi Sato, Ryuichi Sakamoto, Takashi Miyazawa, Takeshi Bamba, and Yoshihiro Ogawa
顿翱滨:10.1002/箩肠蝉尘.13350
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