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Research Results 研究成果

凝集タンパク质の可溶化?活性化する合成ゲル粒子の开発に成功!

2016.04.01
研究成果Physics & ChemistryMaterialsTechnology

 九州大学大学院工学府化学システム工学専攻博士课程3年生の仲本正彦、同大学院工学研究院の星野友准教授らの研究グループは、凝集したタンパク质を可溶化?活性化する合成ゲル粒子の开発に成功しました。
 タンパク质は治疗薬、诊断薬、研究开発试薬など様々な分野で利用されています。しかし、タンパク质は热などの种々のストレスに弱く、容易に构造が壊れ変性?凝集してしまい本来の机能を示しません。生体内においては分子シャペロンと呼ばれるタンパク质群が细胞内におけるタンパク质の凝集の抑制もしくは脱凝集を促进し、タンパク质の品质を保全しています。しかし、取り扱いが难しく非常に高価なため、工业的なタンパク质の生产プロセスで用いることはできませんでした。そこで近年、分子シャペロンの様な机能をもつ安価で安定な人工材料が注目されていましたが、一度凝集したタンパク质の脱凝集を促进し、活性のある状态に巻き戻すことができる人工材料の开発例はありませんでした。
 研究グループは、安価な汎用性のプラスチック原料のみから安定な人工シャペロンを合成する事を目指し、様々な条件で合成を行い机能を解析したところ、特定の组成で合成された直径およそ100ナノメートルのゲル粒子が、タンパク质の凝集体を可溶化し、活性状态への巻き戻しを促进することを见いだしました。さらに本ゲル粒子は、変性タンパク质に対して强く结合し、活性状态のタンパク质に対して比较的弱く结合することで、変性タンパク质の凝集体を効果的に巻き戻すことが明らかとなりました。今回开発された合成ゲル粒子は、タンパク质の生产现场で生じた凝集体を可溶化?活性化する安価で安定な合成材料「プラスチックシャペロン」としての応用が期待されます。
 本研究成果は、2016年2月19日(金)に米国化学会誌「Jounal of the American Chemical Society」で公開されました。

原子间力顕微镜により観察したナノゲル粒子

ナノゲル粒子による脱凝集机构

研究者からひとこと

従来は、一度形成されたタンパク质の凝集体を可溶化するのは不可能と考えられていました。今回は、タンパク质の変性阻害剤を开発する过程で広范に及ぶ组成のゲル粒子を合成?评価したところ、偶然?幸运にもタンパク质の凝集体を可溶化?活性化する本ゲル粒子の発见に至りました。

  • 本研究についての详细は

论文情报

,Jounal of the American Chemical Society,
10.1021/jacs.5b12600

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