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植物のふるえからメロディック?パターンを见いだす

芸術工学研究院 研究紹介

植物のふるえからメロディック?パターンを见いだす

芸术工学研究院 コミュニケーションデザイン科学部门
教授 藤枝 守

 この20年くらい、植物による作曲を続けています。叶や茎に电极をつけ、そこから得られる电位変化のデータをもとに音楽的に読み换えるという手法により《植物文様》という作曲シリーズを展开してきました。そのきっかけとなったのは、兰の生态を研究していたメディア?アーティストの铜金裕司さんが考案した「プラントロン」という装置との出会いでした。

 この装置を用いると、植物の电位変化をリアルタイムに読み取り解析することができます。植物の电位変化は微细で、カオス的な振る舞いをしますが、「プラントロン」と接続した脳波解析ソフトが、その振る舞いを视覚化し、音楽データとして出力する机能を备えていました。植物の电位変化の轨跡を音响化してみると「植物の声」のようなものが闻き取れるかもしれない。そのような思いつきから、铜金さんとともに「プラントロン」を介在させた植物によるサウンド?インスタレーションをギャラリーや美术馆などで数多く手がけるようになったのです。

図01:インターコミュニケーション?センター(ICC)での「プラントロン」によるサウンド?インスタレーション《Paphio in My Life》(2007,銅金裕司との共作)

 植物によるサウンド?インスタレーションに长く触れている内に、ある时、その电位変化を変换した音の连なりをメロディとして読み换えることができないだろうかというアイデアが浮かんできました。さっそく、记録された电位変化のデータを入力源としてメロディック?パターンを生みだす作曲プログラムを作り、《植物文様》というシリーズを始めました。それ以来、键盘楽器をはじめ、さまざまな楽器のために数多くの「曲集」を作曲し、数多くの颁顿をリリースしました。

図02:Patterns of Plants II (TZDIK,USA 2009)

図03:クラヴィコードの植物文様 (MAM-01、2008)

図04:ゴシックハープの植物文様 (MAM-02、2014)

図05:Patterns of Plants (Pinna Records, USA, 2016)

 《植物文様》のタイトルは、植物の枝叶をモチーフにしたケルトの装饰美术へのオマージュとして名付けました。ケルト文様が増殖と変容の无限のプロセスを表出するように、《植物文様》という音楽も増殖/変容するかのように、近年、意外な方向に展开しています。2016年には、ニューヨークのイサムノグチ美术馆で、サラ?ケイヒルのピアノによって《植物文様》が五日间、终日にわたって演奏されました。それは、「自然石と向き合っていると、石が话をはじめるのですよ」と语るノグチの言叶に呼応するように、《植物文様》がさまざまなノグチの造形作品と対话しているような时间となりました。

 また、2018年には、台湾大学アーティスト?レジデンス?プロジェクトの一环として、大学の実験农场の茶叶から採取した电位変化のデータに基づく台湾茶の《植物文様》を作曲し、中国の古箏やピアノによって台湾大学で初演されました。茶から生まれた《植物文様》は、今后、「茶艺」とも呼ばれる茶の文化的な営みに结びつく始まりになるかもしれません。

 植物の电位変化という微かなふるえ。そこからパターンを见いだし、そのパターンのつながりや重なりが音楽というかたちに変容していく。このような作曲のプロセスの背后には、自分自身、几重にもエコロジカルな綾が络み合っているように感じるのです。これからもエコロジカルな実践としての《植物文様》がさまざまな表现とつながっていくことを期待しています。

図06:イサムノグチ美術館での《植物文様》連続演奏(ピアノ:Sarah Cahill、2016)

図07:台湾大学の実験农场における茶の电位変化データの収録(2018)

図08:古箏による《台湾茶の植物文様》(台湾大学藝文センター、演奏:Jay Lai賴宜絜 2018)

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芸術工学研究院 コミュニケーションデザイン科学部門